モンブランは静かに暮らしたい。

静かに暮らしたいのに、好きなことの話をすると静かでなくなってしまうブログです。

ドライブ・マイ・ブルー・カー

 こんにちは、モンブランです。

 9月もそろそろ下旬。夏も終わり、紅葉の映える過ごしやすい季節になりましたね。忙しかった仕事も落ち着いて、自分の時間をどう使おうか迷ってしまうくらい……。

 嘘です。大嘘です。まだまだクソ暑いし、仕事もクソ忙しいし、やりたいことは多いのに時間も体力もなくて嫌になっちゃいますよ全くもう。

 愚痴りたいことは無限にあるけれど、今回のブログは違うんだ。人生最大級にドヤりたいんだ。

 こちらをご覧ください。

 

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 新車を買いました‼︎ドンッ‼︎

 

 流石に現物の写真は貼りづらかったので、注文書の写真です。車種と色はこんな感じです。

 カッコいいですよね素敵ですよねありがとうございます。

 納車したのは今月の中旬頃だったのですが、成約したのは今年の3月下旬でした。当時は諸般の事情により納車までに時間がかかってしまって、ようやく新車との対面を果たせたのでした。販売店に支払い済みにも関わらず店が潰れて納車されない、というニュースをつい最近見て、我がことのように不安にさせられました。ウチの子は無事に手元に届いてくれて本当に良かったです。

 車を買うにあたって「大き過ぎる車はやめておきたい」「軽自動車はムリ」「予算は2〇〇万円くらいで」「車高が高い方が良い」「パワーは欲しい」「燃費は良いよなぁ?当たり前だよなぁ?」などの条件というかワガママがあったのですが、ちゃんと探せば応えてくれる車が見つかるものですね。

 ネットでいくつか車種を絞ってから、実際にカーディーラーで実物を見せてもらったり試乗させてもらったり仮の見積書を出してもらったり。

 その際にもう、自分の本命の車は今のものに決めていました。

 2度目の来店で勝負。

 しかし、積極性を見せてしまうと足元を見られてしまうので、「数ある候補のひとつに過ぎませんよ。良い条件で出してくれないと他所に行っちゃいますよ」という姿勢で挑みました。

 さらに他所の見積書をチラ見せすることで、「もっと勉強してもらえませんか?」という脅しもといお願いができました。複数のディーラーに行ったことは決して無駄になりませんでした。

 あとは最初は高めのグレードで出してもらってから、後から下げても良い部分のグレードを下げていくことで、「これを下げるから額もこのくらい下げて」という交渉もできたのです。

 結果、最初に提示された額よりも約30万円安く新車の購入ができました。事前の準備がものを言いました。

 ……成約後に店長と整備責任者からの挨拶があったのはビビりましたが。自分よりも遥かに歳が上で立場もある人に慇懃な姿勢をされると怖いです。僕は神様じゃなくてお客様に過ぎないんですから。納車時も同じイベントがあって、そちらはあらかじめ構えていたので動揺せずに済んだのですが、とは言え慣れねえ。

 ただ、自動車くらい高い買い物になると、そんなものなんでしょうかね。偉ぶる気はないですが、今まで支払ったことのない規模の額でしたし。銀行での振り込みもATMでポチポチできなくて窓口で書かなきゃいけなかったですし。初めてでしたよ、そんなの。

 そういった経緯もあり、新車への期待はひとしお。実物を目の当たりにして、運転席に乗り込んだ時には担当者がいる手前平静を装っていましたが、内心テンション爆上がりでした。最高にハイってやつでした。同時に6年近く乗った車とのお別れでもあったというのに、薄情にもニッコニコでした。

 ピッカピカの車に乗れることもそうですが、自分でこんな立派な車を買えるようになるくらいに、お金を稼げる社会人になれたんだな、と。

 ゴールとまでは言わないまでも、チェックポイントを1つ越えた感がします。

 冒頭でも申しました通り、仕事が忙しい中でも、自分の車のもとに立つと「カッケー!」「ふーん……」「蒼いね」と、気持ちが元気になれます。

 大事に乗るので、どうか長い付き合いになりますように。

 締めの挨拶もめんどくさいので、今回はこのままさようなら。

 俺はコイツと旅に出る。

なつななつ

 こんにちは、モンブランです。

 ほぼほぼ仕事に追われていたら、8月ももう下旬になっていました。愕然としています。こんな体感速度で夏休みが過ぎたら、ちびっ子たちは絶望してしまうでしょう。そうなっては可哀想なので、夏休みが全くなかった僕が代わりに絶望しておきます。

 が、己を可哀想に思うことほど可哀想なものはない。楽しかったことや心動かされたこともあったはず。労働という名のゴミみたいな時間を掻き分けて思い出してみましょう。

 

 

 

 

1.モンブランツアーズ第2回

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 仲良しの大学時代の先輩と後輩を地元に連れ込み、色んな美味い店にお連れした。食い倒れの旅である。第1回は後輩1人で今回は計2人。車に乗せれば1人も2人も大差ない。なんてことはなく、気の遣い方も変われば連れて行く場所も変わるので、共通していたのは観光らしい観光をさせていないことくらいだろう。

 ただ、自分含めて皆学生時代と人格、嗜好、それに芸風も変わっていない。懐具合に余裕のできた大学生みたいなものだ。お陰で近況を聞きつつ話しつつも、付き合いやすいままだった。このように有難い関係性は今後も大事にしていきたい。

 ツアーズ第3回とユーフォ3年生編アニメが待ち遠しい。時期が決まっている後者は特に。

 

 

2.森博嗣さんのVシリーズ読了

 

著者の手がけた推理小説シリーズの2番目にあたる。シリーズ名の由来は、シリーズの探偵役である「瀬在丸紅子(Cezaimaru Venico)」ファーストネームのイニシャル、Vに由来する。作者の森博嗣は本シリーズのコンセプトとして、シンプル、シャープ、スパイシィのSSSを掲げている[1]。

本シリーズは登場人物の1人保呂草潤平が、友人である瀬在丸紅子、小鳥遊練無、香具山紫子らと遭遇した事件を回想として記述するスタイルをとっており(但し三人称で記述されている)、各作品冒頭でその旨が読者に対して明示される。警察関係者をはじめとする登場人物が事件について悩んでいる最中、保呂草は真相を先んじて知っている、推定しているが黙している場合が多い。探偵役である紅子が、その頭脳で完璧に事件を解決して皆に解説するという流れである。

登場人物の心理の揺れや、関係性の変化が目立つ装飾が多くなされているが、その分、小説としての構造やトリックはオーソドックスなものに意識的になされている。また設定の斬新さ・特異性が特徴の1つとされるS&Mシリーズと対照的に、安普請のアパートで生活する登場人物、資産家の大学教授、避暑地や豪華客船で起こる事件、などレトロな印象を与える設定が散見される。(Wikipediaより)

黒猫の三角』から『赤緑黒白』の10冊をようやく読了。他の本を挟んだり、そもそも読書時間が取れなかったりで、読み終えるまでに結構かかってしまった。やっぱり労働が悪い。

 このシリーズは丁寧に作られた王道ミステリを魅力的なキャラクターたちが彩るという、僕の理想のような物語だった。

 どのキャラクターが好きかと訊かれたら皆好きだと答えられる。一番を強いて挙げるならば、語り手の保呂草だろうか。三枚目ではないが、程よく抜けていてスマートで乾いているところが良い。

 森博嗣さんのシンプルかつロジカルな文章が読みやすいので、隙間時間に読むのにも良い。

 いつもリターンは期待していないが、言うだけ言ってみる。面白いよ。マジで。

 

 

3.『君たちはどう生きるか』を観てきた

 

 宮﨑駿監督最新作を観に、上映初日に映画館へ足を運んだ。『風立ちぬ』を観に行ったのが高校生の時だったから、嫌でも時の流れを感じる。10年。その間に盟友・高畑勲監督、色彩設計保田道世さんも亡くなってしまわれた。しみじみとしつつ、予告皆無の結果Twitterで巻き起こった大喜利大会に苦笑しつつ、オラ、わくわくすっぞ!

 ってな感じで観てきた。すごかった。高齢になっても尚、宮﨑さんの才能は全く枯れていなかった。今までの作品のエッセンスを感じさせつつ、新しい映像表現と、先が気になるような展開の運び方が素晴らしかった。年齢を考えると、今作こそは長編監督作の最後になってしまうのだろう。とても惜しいが、死ぬまで何かを描かずにはいられない方だと思うので、異なる形でもまた新作を1ファンとして期待したい。

 おまけに。この映画の原作は吉野源三郎著の同名作と思われがちだが、劇中で主人公がそれを読んだシーンが僅かにあるのみで、実際にはアイルランドの児童文学が基になっている。

 

 

 後日入手して読んでみたところ、確かに映画との共通点が多かった。主人公が幼くして母親を喪い、すぐに父親が再婚し、新しい母親と生活環境になかなか馴染めないところは全く同じだ。映画ではさらに宮﨑監督の自伝的な要素が混在している。だが、そのような予備知識がなくとも楽しめる映画だと思う。

 劇場で観られて良かった。時間があればまた観に行きたい。

 

 

 

 

 さてさて、いかがだったでしょうか。

「ななつ」と言っておきながら「みっつ」だったじゃねーか!

 というツッコミは甘んじて受け入れましょう。あとの4つは諸事情によりカットしました。何もかもを晒す訳ではないのです。

 どうしても気になる方は僕を直接ひっ捕まえて尋問してみてください。そこまではしない優しい方は想像の翼をはためかせてください。どちらの層も存在はしないでしょうけれど。

 

 次回のおブログは来月納車予定の新車の話になると思います。できたら良いな。できなかったら違う話をします。乞うご期待。

 ではでは、今回はこの辺で!

『兄妹シリーズ』全編あとがたり

 こんにちは、モンブランです。

 梅雨が終わっているんだか終わっていないんだかよくわかりませんが、湿気と暑さが不本意ながら身に沁みている今日この頃、皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。

 地球温暖化が騒がれ始めて、もう何年経ったのでしょう。年を追うごとに暑さが増しているのを見ると、お天道様から「そら見たことか」と言われているようですね。そらだけに。

 そんな戯言はさて置き、『兄妹シリーズ』が半月くらい経ちました。今は今で色々やっているのですが、執筆関係のあれやこれやを日々の中で一切やらないことへの違和感が、未だに拭えません。

 連載をしていた頃は書くことが面倒くさくなる時もあったくらいなのに、いざ書かなくて良くなるとまた書きたくなる感覚。矛盾。何なんでしょうね、これ。

 そんなモヤモヤもあり、作中で書き切れなかった裏事情もありありなので、あとがきみたいなものを書いてみたいと思います。

 ドンッ!

 

 

 

1stシーズン

 そもそもシーズンという括りすらなかった頃。初期中の初期ですね。アナ雪を時事ネタに使っていた時期です。

 兄妹の話を書こうとしたきっかけは、当時放映されていた某さすおにアニメでした。今となっては、“俺TUEEE!”系の走りになったラノベ界における史的価値のある作品だと思いますが、当時はあまり好きじゃなかったんですよね。妹役の声優さんは大好きだったんですけど、あの妄信的なブラコン感が気持ち悪かったと言いますか……、そんな感じでした。

 ならば、自分の理想は何だろうか。それを実際に形にしたのが、「優しい雨」という短編でした。

 高校の時に書いていたキャラの子どもという裏設定もあってか、自分でもかなり気に入ってしまったので、幼馴染キャラも追加して、さらにはもっと話を引っ掻き回してくれそうな、“あのキャラ”までも書いてしまったのでした。

 雲居香純ちゃんは、当時〈物語〉シリーズ忍野扇ちゃんが好きだったので、自分でも押しが強い慇懃無礼後輩キャラを書きたいという欲望のもと生まれました。

 ただ、全く同じにしても面白くないので、初めて設定をしっかり考えて作りました。結果、後になって重過ぎる可哀想過ぎると思い、香純ちゃんを幸せにするという目的が、途中から書くモチベーションの一つになって行きました。

 僕の好きなSF(少し不思議)的な事件も交えつつ、物語を締めようと思っていました。

 思ってはいました。

 

 

2ndシーズン

 気分転換に水着回を書きつつ、まだ書ける余地があるんじゃあないかと思い始めました。

 1stシーズンでは兄と香純ちゃんを掘り下げましたが、優雨の方がまだだったな、と。

 この頃から『小説家になろう』での電子連載を始めたと記憶しています。優雨(年下キャラ)の逆を行く日和おねーさん(年上キャラ)にご登場いただいたことで、めちゃくちゃスムーズに書けました。

 書き終えたところで、「次は何を書こう」と思い始めたあたりから、完全にシリーズ、長期連載化を意識しだしました。

 一晩使って〜5th、finalシーズン、エピローグまでのプロットを作り上げ、書く当時のフィーリングも大事にしつつ、このプロットをなぞる執筆を完結まで続けていくこととなるのです。

 

 

インタールード

 今後の展開の下準備として設けたインタールードです。この辺りで付き合いで読んでくれていた大学の友人からも、卒業を機に読まれなくなります。うん、それは良いや。とにかく、本編をかなり意識した番外編です。

 一番最初の「ゆうフレンズ」は、主人公兄妹たちレギュラーメンバーを外側から見られるキャラが欲しくて、優雨の同級生の海野雪水ちゃんに登板してもらいました。

 やれやれ系ダウナーラノベ好き少女。以前から挑戦したかったキャラをお試しで書いたところ、かなり気に入ってしまい、使い切りの予定が準レギュラーにまで昇格した大出世キャラです。

 あとは、香純ちゃんと家達さんの再会、兄妹誕生秘話、実験的挿話的な。

 寄り道なようで、本筋から逸れていなくて、でもやっぱり余計なこともたくさんしていました。

 とってもたのしかったです。(作文)

 

 

3rdシーズン

 2ndシーズンの最後で仄めかしていましたが、主人公は香純ちゃんの義弟の雲居夕霧くんです。ちなみに、夕霧くんの両親にして、香純ちゃんの伯父叔母の雁夜さん、葵さんも皆んな『源氏物語』からいただいています。源氏における夕霧は、その血の運命(さだめ)とも言うべきか、幼馴染同士の純愛を自分で台無しにしたガッカリボーイなのであんまり好きじゃないんですが、雲居夕霧くんは良い子です。

 小学3年生ながら姉の影響もあってとても賢く、行動力と直向きさを持ち合わせていてくれたお陰で、きちんと主人公を務め上げてくれました。

 この章の目的は、香純ちゃんの家族の問題の解決と、ラスボスのラスボスっぽさのチラ見せ。1stシーズンでは前向きにはなっても根本的な解決はし切れなかったので、将来的に香純ちゃんに大活躍してもらうべく、後顧の憂いを断つ必要があったのです。

 夕霧くん、本当にありがとうございました。

 夕霧くんは夕霧のようにはならないのでご安心ください。

 

 

4thシーズン

 沖縄での修学旅行です。

 ……修学旅行と言えば奈良京都が王道なんですが、僕自身が修学旅行で一度も行ったことがないんです。経験した修学旅行の方が書きやすかろう思い、自分の中で最も楽しかった、中学の修学旅行で行った沖縄を舞台にしました。

 本編のエピソードも、キジムナーもどきのククル関係以外はほぼ実話です。書いていて懐かしい気分になりました。

 4thシーズンでは、高校生らしいイベントをさせつつ、ちょっとずつ人間関係を前に進め、ついでに最終決戦に使える伏線を仕込む魂胆がありました。計画通りでした。がはは。

 

 

5thシーズン

 最後の日常編です。finalシーズンではシリアス続きなので、完全に肩の力を抜いて書ける最後の章でした。と言いつつ、書くべきことが盛りだくさんでした。プロットから箇条書きを引用したものが以下の通りです。

・晴輝をいい加減吹っ切れさせる←SAO的なゲームでドラクエ的な冒険させよう、ゲームは人の本性が出がち

・咲良ちゃんと香純ちゃん、それぞれクリスマス前後に告白。香純ちゃん勝利。

・負けヒロインのフォロー。世界のサクラ・ハヤマへの道。

・年末。井坂文弥登場。finalへ。

 目的や方針を書き出すなら、このくらい簡素な方が良いんですよね。派生はあっても軸はブレない。

 ……。書いていて思い出したのですが、この頃、めちゃくちゃ感想を書いてくれる読者が居ました。滅多にないことなので、丁寧に返信したところ、1話ごとに感想まで書いてくれました。ありがたいことだったのですが、一方でTwitterでの絡まれ方が面倒臭かったんですよ。「インターネットストーカー」という言葉がしっかり来ました。老若男女問わずしつこい人は嫌いなので、ブロックしたところ、finalシーズン大詰めの直前で感想が書かれなくなりました。何だったんでしょうね、アレ。

 

 

finalシーズン

 気を取り直して、finalシーズンを語りましょう。シーズンと言いつつ、Part.1〜3まで分かれています。

 僕自身の話になってしまうのですが、今まで読んだ本の中で衝撃を受けた作品のひとつに『涼宮ハルヒの消失』がありました。自分ひとりを残して日常が書き換わってしまう怖さ、今まで当たり前にあったもののありがたさの再確認、日常を取り戻す覚悟と決断。

 finalシーズンでの最終決戦は、確実に『涼宮ハルヒの消失』の影響を受けています。自覚アリです。ついでに、スティーブン・キングの『ダークタワー』の影響も否めません。勿論、真似だけしても僕が書く価値はないので、ある大仕掛けも組み込みました。……途中まで書いてみてあまりにアンフェアだと思ったので、急遽香純ちゃんに『アクロイド殺し』のタイトルと共にヒントを出してもらいましたが。

 最終章でキーになるのは、3rdシーズンで脇役で登場した、水川家メイドの晶さんです。元々ここでの出番を想定した上で、3rdの時点で初登場してもらっていました。「年齢不詳」の文言が若々しさの表現に留まらず、本当の意味での年齢不詳、覚えていられないほど長く生きているとは誰も思うまい。

 しかし、初登場からかなり期間が開いてしまっており、感情移入してもらうのは難しい。そこで、新春番外編と題した挿話により、晶さんの過去と現在、ついでにシリーズ終盤を引っ掻き回してくれた蓮生司炎伽の参加を描きました。蓮生司炎伽については後述。晶さんは長生きの為に人格をシンプルに作り上げていたので、基本忠義の人で、茶目っ気は炎伽から影響を受けているのかもしれません。

 finalシーズンでは日常に回帰してから、香純ちゃんから“絶対記憶能力”を取り上げつつ緩やかに終わりを迎えました。

 僕が高校生の時に書いていた、“才能(ギフテッド)”という異能みたいな概念を、最終盤に再び採用しました。『兄妹シリーズ』は言葉の応酬をメインにしたかったので使うのを避けていたのですが、曖昧なものを失くすよりも展開としてわかりやすいかなーと。いや、この物言いからしてわかりづらいんですけど。

 兎にも角にも、“絶対に忘れない能力”というのはやはり負担が大きいので、大人になると共に解放してあげたいという親心みたいな。彼女自身能力を疎ましく思う一方で、思い出に支えられていた面もあったよねという意地悪もしつつ。

 もう一点、兄妹に新しく弟妹が生まれることも、プロット通りです。未来への展望も残しつつ、兄妹たちの物語を終えたかったんです。締めるところは締めて、新しい物語を始められる余地を残しました。

 

 

Nextシーズン

 新しい物語というか新しいシーズンなんですけどね。

 主人公はfinalシーズン終了直後に生まれた、寺井美空ちゃんです。

 物語は彼女が女子高生になった時点なので、だいぶ未来の話になります。世代交代もしているので、兄妹たちはみんな大人になりました。

 実はNextシーズンは着手する時点で、具体的なプロットが全くない状態でした。事前に用意していたのは美空の何となくの人物像のみ。

 おまけに既存キャラは基本ゲスト出演のみという縛りを設けていたので、実質新連載を始めるようなものでした。

 美空は、歌唱力・絶対音感・人の声から考えていることを正確に読み取れる、作中一の美少女、というスペックなので、芸能関係に進むしかない。

 しかし、地方の町の少女がテンポ良く芸能界に進むにはどうしたら良いか。考えて真っ先に浮かんだのは、スカウト、延いてはアイドルマスターシンデレラガールズのようなステップアップストーリーでした。

 そこで、プロデューサーたる人物を用意しました。展開の早さと都合の良さには胡散臭さがある。しかし、敵ではなく一貫して美空の味方になる人物なので偽悪的なだけ。彼には彼なりの業を背負ってもらう。という連想ゲームの末に出来上がったのが、黒子晋作です。

 あとは、事務員さんも必要ということで登場させたのは、百地利奈さんです。……完全に言葉遊びですね。デレマスの千川ちひろさんが元になっています。マスタートレーナーならぬ松田麗さんもそう。キャラメイクがデレマスにおんぶに抱っこに肩車です。

 ただ、美空のずば抜けた“才能”は“よくないもの”を惹きつけそうだとも思い、“才能”を狙う魔物のような存在と、彼女を守る異能の持ち主として蓮生司炎伽に転生してもらいました。伝奇要素です。

 経緯は彼女自身が作中で全て語ってくれているので割愛するとして、彼女の転生は、強力過ぎる“才能”ゆえに死んでも死に切れなかった彼女への救済措置でもありました。豪快かつ繊細で寂しがり屋ですからね。

 炎伽を絡めることで、伝奇ストーリーの内容もより具体的に固まり、美空の物語の収束に向かえました。

 何者にもなれなかった美空が、“才能”を花開かせ、誰かに何かを与えることができるようになること。

 ストーリーを組み立てる途中でNextシーズンの目標も決まり、大舞台に立つと共に、身の破滅も厭わず黒子に徹しようとした人物を救うことが出来ました。

 立派な主人公になれたところで、Nextシーズン、新世代の物語の幕を閉じたのでした。

 

 

オフシーズン

 パーフェクトに書き手側の都合だったのですが、文字数と話数をキリ良く終えたいが為に、4話だけ継続しました。

 書き切れなかった“その後”の話もありましたし、大人になった兄妹たちレギュラーメンバーも書きたかったんですよね。特に咲良ちゃんの扱いが雑だったし。

 晴輝と香純ちゃんの子どもの双子(陽羽と羽月)も、短いシーンではありますが、書くことができて良かったです。

 陽羽は、優雨をベースに香純ちゃんの賢さとシスコン要素を増しました。

 一方、羽月は、最近アツい『ぼっち・ざ・ろっく』の後藤ひとりの超コミュ障ぶりをベースに、超シスコン要素を増して出来上がりました。書くことはなかったのですが、怒らせたらヤバいのは羽月の方です。やっぱり香純ちゃんの子なので。

 そしてやっぱり、真の最終回は緊張感なくグダグダな感じで終わりました。キャリアを積んで、ちゃんとしたもの以外書けなくなっていたので、苦痛を強いられる作業でした。嘘です。めっちゃ楽しかったです。最終回っぽいことは、直前の香純ちゃんのヨーロッパ旅行でやってくれたので、最終回では初志の如き自由さで書くことができました。

 物語としては終わってしまうけれど、彼らの日常は続いていく。ひょっとしたら、また彼らの日常を書く機会があるかもしれない。そんな可能性を残しながら、『兄妹シリーズ』は幕を閉じました。

 ……具体的には、双子を中心に新しく書けそうな気がしているのですが、今のところは全くの未定。束の間の(?)休息です。

 

 

 

 

 

最後に

『兄妹シリーズ』に登場するキャラたちは全員濃い。風景同然の人物を書くことに不毛さを感じて、『兄妹シリーズ』は全員が主人公になれるくらいの個性を持っていました。現に語り手は頻繁に交代しており、3rdシーズンに至っては丸々小学3年生に委ねる始末。適当なキャラをピックアップしてスピンオフを書こうと思えば、いくらでも書けたでしょう。

 しかし、彼らも僕もちょっぴりくたびれました。いくらかの掲載の遅れはあれど、約9年休みなしに書き続けたので、キレが落ちてマンネリ化させてしまうのは誰の為にもなりません。終われる時にスパッと終わろう。

 終わりと始まりを繰り返すのが世の常なので、またきっと新たな始まりが訪れるかもしれません。マジな話、いくつか短編を形にしてから、今度は入念な準備をしてから連載を始めたいです。予定は未定でも望みくらいはあります。気長にお待ちください。需要があるならば。なくても。

 その時が来るまでは。

 さようなら、全ての『兄妹シリーズ』!

 

 ではでは、今回はこの辺で!

お誕生日様でした。

 こんにちは、モンブランです。

 暑い日が続きますが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

 わたくしは高い湿度が苦手な体質でございますので、1年で最もデバフがかかっております。

 生まれた季節なのにね。

 

 

 季節どころか、昨日お誕生日でした。

 またひとつ歳を取ったのですが、自分自身には全く変化がありません。

 成長もなければ、退化もなく、良くも悪くも現状維持です。

 終わり。

 

 

 

 

 

 

 というのも味気ないので、今年あった重大イベントを軽くピックアップしてみましょう。

 

 

1.新車を買いました。

 はい、新車を買いました。

 元々中古の車に6年ほど乗っていたのですが、そろそろガタが来始めていたので、修理費用のかかる不備や、バッテリー、タイヤなど交換にウン万かかるものに寿命が訪れる前に、買い替えたいと考えていました。

 そこで、今年の初頭からネットで情報を集めたり、カーディーラーを見てまわったりしました。その中で、同タイプの中古価格とそう変わらない新車があったんです。長く乗ることを考えると、また中古で買うよりも新車の方が良かろう。試乗もさせてもらった上で、この車にしようと決めました。

 が、カーディーラーとの値段交渉の中では、あまり乗り気な感じを出してはいけません。こちらがあまりに積極的だと足許を見られてしまいます。だから「あくまで候補のひとつ。他社さんより良い条件出してもらわないと……ね?」みたいなスタンスを装っていました。

 おまけに、他社でもらった同タイプの車の見積書もチラつかせて、勉強してもらったりもしました。年度末に訪れたのも敢えてのこと。

 交渉の結果、最初に提示された額よりも約30万円値切ることができました。

 ただ、致し方ないのですが、コロナの影響もあって納車の時期が遅くなりがちで、現状は9月〜10月の予定です。かなり焦らされますが、良い車だったので気長に待ちます。

 今乗っている車もどうにか保たせます。

 

 

2.連載終わりました。

 拙作『兄妹シリーズ』(https://ncode.syosetu.com/n3270dl/)の連載がようやく終わりました。

 大学1年の頃から書いていたので約9年の連載でした。流石にここまで長く同じ作品を書き続けたことはないので、代表作と言わざるを得ません。

 面白い作品を追求しつつ、120%趣味で書いていたので、あまり一般受けはしないだろうと思っていました。そもそも、話数と字数が膨れ上がって、新規に読んでもらうにはハードルが高過ぎました。

 が、自分の書きたいだけ書けたので大満足です。おまけに、「完結済」にした途端にアクセス数の伸びがすごいことになっていたので、読んでくれる人は居るんだなぁと若干他人事のように感心していました。

 ……時間が作れたら近々まとまった後書きを書きたいんですけど、需要ゼロなんだろうなぁ。思い入れあるキャラたちなので、許せサスケって感じで。

 

 

 

 ということで、お誕生日スペシャルのスペシャル抜きみたいなブログでした。

 今年中にやや重大イベントがまだ控えていますが、身許が割れそうなので、ブログでは書きません。

 ナイショの話です。

 なので、当たり障りない話をゆるっと書き続けますので、今後もよろしくお願いします。

 物書きもやめないよ。

 ではでは、今回はこの辺で!

会話劇と問答法は関係ない

モンブラン(以下モ)「こんにちは、モンブランです」

 

ブラックモンブラン(以下ブ)「こんにちは、ブラックモンブランです」

 

モ「いや、誰だよ」

 

ブ「我は汝、汝は我」

 

モ「ちょ、そういうの良いから。ペルソナシリーズ、碌にやったことないのに雑に引用しなくて良いから」

 

ブ「こういうボケをするあたり、まさに俺自身だろ。今回は自分同士の会話形式でブログを書いていこうと思う」

 

モ「正直出オチ感が否めない」

 

ブ「大丈夫。感触が悪かったり不評だったりしたら即打ち切りだから」

 

モ「『骨は拾うぜ』みたいに言われてもなぁ……。そもそも、なんで会話形式なのさ?」

 

ブ「何となく奇抜なことがやりたかった」

 

モ「考えなしにもほどがあるだろ!」

 

ブ「ただのネタ切れとも言える」

 

モ「そうとしか言えない」

 

ブ「最初は自キャラを使おうという案もあったんだよ。ただ、企画段階でボツになった」

 

モ「自キャラ? それはそれで面白そうではあるけど、ボツになったのは何故?」

 

ブ「はたから見て痛いから」

 

モ「…………。痛いね」

 

ブ「痛いんだよ。なろう時代のSA○にあった、作者とアスナの掛け合いくらい痛いんだよ」

 

モ「ニッチな具体例を出すな。ついでに、伏字の使い方にも悪意がある」

 

ブ「ブラックモンブランなので」

 

モ「ゆっくり茶番劇で良いんじゃないのか? そこは。というか、なんで僕がフォローを入れてるんだよ」

 

ブ「今回はこういうスタイルで行くから。俺がボケでお前がツッコミ」

 

モ「漫才スタイルってことか」

 

ブ「ボケとツッコミを繰り返して、人は成長していくものだからな」

 

モ「出会いと別れみたいに言わないで。青春感ゼロだぞ」

 

ブ「それ」

 

モ「ん?」

 

ブ「ツッコミって結構何かを禁止するような言い回しが多いだろ。『〜するな』とか」

 

モ「ああ、確かに。今しがた言った『〜しないで』もそれに当たるか」

 

ブ「俺はこの風潮に異議を唱えたい」

 

モ「は? なんで」

 

ブ「言論の自由を封鎖しないで欲しい。公共の福祉を侵害するほどのことは言ってないんだから、我々の主張をもっと受け入れて欲しい」

 

モ「無駄に高尚なことを言い出したぞ。ボケてるだけなのに」

 

ブ「それじゃあ、ここからは禁止するの禁止な」

 

モ「んな無茶な」

 

ブ「この前、ウチのワイフと居酒屋に行ったんだけどさ、」

 

モ「俺たちにワイフは居な……」

 

ブ「追加。否定形も禁止な」

 

モ「勝手にルールを増や……あー、禁止するの禁止されてるんだった」

 

ブ「で、行ったんだけどさ、ビックリしたのが、店員さんに俺の顔を覚えられてたんだよ」

 

モ「うん」

 

ブ「2日続けて来て沢山食べてたり、エビマヨ食べ比べしたり、チャーハンをメニューから消さないでとばかりにチャーハン頼んだり」

 

モ「はいはい」

 

ブ「名刺貰った時なんか驚いたよな。貰った名刺を見せたら刺身を奢られて、常連扱いされたのかな? 親切が刺さるよなぁ」

 

モ「…………」

 

ブ「名刺と刺身、刺さるよなぁ」

 

モ「あ、はい……」

 

ブ「…………」

 

モ「…………」

 

ブ「……モとブが2つ重なると“モブ”っぽいよな」

 

モ「もうやめよう! 地獄レベルにスベってるから! 禁止の禁止を禁止だ!」

 

ブ「禁止の禁止の禁止の……」

 

モ「ああもう、そういうの良いから! ボケるならもっと質の高いボケを出してくれ。さっきもツッコミを封じられたというより、ただツッコミようがない弱いボケだったから」

 

ブ「問答法って知ってる?」

 

モ「会話の質は無理に上げなくて良い」

 

ブ「で、知ってる?」

 

モ「僕自身なんだから知ってるに決まってるでしょ。教師が問いかけ生徒が答えるのを繰り返すやつでしょ。一応ソクラテスがそのやり取りの中で相手の矛盾を指摘してたのが基だったっけ?」

 

ブ「そうそう。今の世では『揚げ足取り』もしくは『論破』とも言う」

 

モ「言わない。いや、言うのか? 相手の矛盾を指摘してマウント取ってるからな。嫌なことに気付いたな」

 

ブ「実際にソクラテスの問答法は問答法の中でも叩き台にされてたくらいだから、現代でやっても性格悪く思われるだけなんだよ」

 

モ「今も昔も終始“否定”は受け入れられ難い訳だ」

 

ブ「そこで俺は“自問自答法”を提唱したい」

 

モ「何それ」

 

ブ「自らの内でもう一人の自分を創り出し、問いかけ合うことで、己自身を高めようという」

 

モ「まさしく今やってるようなこと? 何も高まってないし何も生み出せてない気がするんだが」

 

ブ「自問自答を繰り返したところで、とどのつまり不毛である。不毛であることを俺は知っている。事ほど左様に無知の知です」

 

モ「やかましいわ! もうええわ!」

 

「「どうもありがとうございました〜!」」

 

 

 

 

 

 

 改めまして、こんにちは、モンブランです。

 ネタ切れ故に変わったことをやってみたのですが、書いた自分でも「何だこりゃ」となってます。何だこりゃ。

 日常が労働9割ささやかな喜び1割くらいなので、ブログに敢えて書き残そうと思えるくらいのイベントがないんですよね。大体Twitterで済んでしまう。

『仕事が忙しいので〜』という枕詞もいい加減飽きました。自分で飽きました。なので、どうにかこうにかネタを抽出していきたいところです。

 もう5月も下旬になり6月も間近です。

 誕生月です。早えな。GW(ガッデムウィーク)とか喚いていたのが昨日のことのように思い出されます。思い出したくありませんでした。時の加速も程々にしてください。

 

 

 てな訳で今回はこの辺で!

 次回はアゲアゲなお誕生日様スペシャルをお届けするぜ!(予定は未定)(未定は未定)

春眠暁を覚えるわけないだろ!

 こんにちは、モンブランです。

 4月も中旬になると世間ではもう「GWはどうする?」みたいな話が出ていますが、これを現実逃避のように見てしまうのは、僕が捻くれ者だからなのでしょうか。

 

 

 好奇と期待に満ちた新卒社員の瞳からハイライトが失われていくのを見るのは、……まあ予想通りだったので特に何とも思わないのですが、頑張り過ぎない程度に頑張れと、苦笑しつつ見守ること現在進行形です。

 あとは、黄砂と花粉で目がツラい。目薬の差しすぎも良くないので、飲み薬と洗顔でどうにか誤魔化していますが、そもそも出社しなければ負担がかなり軽減されるのではないかと思うと、いやもうホント労働は悪ですね。

 今回で80回目なのに、なかなか景気の良い話ができません。やりたいことを制限してくる労働中に更にストレスが溜まるようなイベントが続くと、「ハラスメントなんざ知るかボケ‼︎」となってしまうのも時間の問題な気がします。火のないところに煙は立たない。マジ頼む。

 

 

 楽しい話もしよう。

 先週、後輩が我が故郷に遊びに来たので、地元民が知る本当に美味しい店に色々と連れ回しました。お金はある程度余裕があるにしても、時間と胃袋には制限があるから、手持ちのカードをかなり残したまま終わったけれど、結構楽しかった。

 2日目に至っては、昼から夕方まで『ぼっち・ざ・ろっく!』全話鑑賞会をやっていて、既視感があると思ったら、やっていることが大学時代と全く同じでした。メンバーは足りないけれど、嗜好や感性がそこまで変わっていないことには安心感がありました。成長がないと言われればそれまでだけど。

 故郷で外の友人を連れ回す機会は中々なかったので良い経験になりました。

 興味のある方は是非またご一報ください。できる人限定で。

 それと、この際カミングアウトするけれど、お土産に貰った最中は自分含めた家族全員が好きじゃなかったから、中身を見た時に顔が引き攣ったけど、食べてみたら美味しかったので仕事の日のおやつに食べてます。

 

 もう一つ、前々からブログでも騒がしかったですが、『ロックマンエグゼアドバンスドコレクション』にどハマりしております。

 これを書いている現在は、『ロックマンエグゼ2』をプレイ中です。1は自分で設定した目標地点までやり切れました。序盤はバスターMAXモードがないとかなり大変でしたが、終盤はシリーズ屈指の強チップ揃いで派手な戦闘を楽しめました。

個人的なエグゼ1最強チップは「ロックオン3」。異論は認める。

 2はサイトスタイル開放までやる予定。3も早くやりたいから、ハードモードまではやらない。背景に変化が付いたり、メニューにエリア名が表示されたりと道に迷いやすい難点がかなり改善されました。シリーズ中でも2のストーリーがちょっと暗めで小学生受けが悪そうだなーとか、ワイリーはある意味2の方が悪役してるよなーとか、昔よりも俯瞰して見てしまうのは、“あの頃”よりも大人になってしまったから。ゴスペルを倒した後もWWWエリアやサイトスタイル開放、本物のフォルテとの対決などやること盛りだくさんなので、プレイする時間が欲しい。働いてる場合じゃあない。

 

『春眠暁を覚えず』という有名な言葉がありますが、正確な意味としては、春は心地良くてつい寝落ちしちゃうみたいなことを言っています。

 が、年度初めの慌ただしさで疲れ果ててぶっ倒れるのが実情です。宿屋ならぬ自室のベッドで一晩寝てもHP全快からは程遠く、欠伸をしながら最大HPを擦り減らしながらの日々は、さながら教会行きへのカウントダウンを刻んでいるよう。

 

 

 

 ……最後にタイトル回収を良い話で決めつつ締めようと思ったのに、結局は愚痴を重ねてしまうだけでした。

 代わりに、“モンブラン先生”の今年の活動予定を宣言してみましょう。

 まずは『兄妹シリーズ』を完結させること。残り3話の内1話は途中まで書けていますが、今月中の投稿は厳しそう。延びに延びた結果、9周年を迎えることになってしまいましたが、広げた風呂敷はきちんと畳みます。

 その上で、年末には新規連載or新作短編を形にしたいです。企画・プロットはあるんです。連載はやるとしても短期にはなりそうですけど。行き当たりばったりはしんどいので、前もってガチガチに準備してからやるとは思います。その為にも、兄妹を早く終わらせねばならん。

 あとは、モンブラン先生のよく知るモソブラソ先生も、再び息を吹き返すべくコソ練しているらしいです。ただ、絵に関しては他人にも自分にも厳しいので、中々人前に出せるレベルには至っていないそうです。居ないとは思いますが待っているかたが居れば、気長にお待ちください。

 

 

 という訳で、疲労とストレスたっぷりのコンディションで書いたせいで、今回は愚痴まみれのブログになってしまいましたが、本年度もよろしくお願いします。

 今回はこの辺で!

 おやすみなさい。

2022年度の個人的イチオシ本!

 こんにちは、モンブランです。

 これまで僕のブログを読んでいた方々ならお分かりかと思いますが、僕は余暇の時間の大部分を読書に割いています。最近は仕事の方がシャレにならないレベルで忙しくて、読書に回せる時間もかなり削られてはいるのですが。腹立たしい。

 それはさて置き、年度末ということもあって色々と移り変わることが多いかと思います。が、ここで一旦年度を振り返ってみるのも良いんじゃないかとか何とか、御託を並べるのも面倒になってきました。

 今年度読んだ本の中で特にイチオシの本を紹介するぜ!

 

 

 

 

1.青山美智子『月の立つ林で』ポプラ社

 

長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。

つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。
月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの思いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく――。

 

 また青山美智子さんかと言わば言え。

 前作『赤と青のエスキース』は少々異色な作品でしたが、今作は原点回帰した感があります。

 どこにでも居そうな悩む人たちが、些細なきっかけから見方捉え方を変えて一歩ずつ前進していく。そして、彼ら彼女らの物語が思わぬ形で繋がっている。

『月の立つ林で』も、そんな青山さんの持ち味が存分に活かされた小説でした。

 僕は今回の中では特に芸人の話が好きでした。若干ネタバレになりますが、売れない芸人の彼は都合良く物語の最後でブレイクすることはありません。それでも、彼が一生懸命にやっていたことは誰かが見ていてくれて、その誰かを励まし、巡り巡って彼自身を前向きにしてくれる。安易な成功譚になっていないのが、読んでいて自分の中で受け入れやすくて良いと思いました。

 さらに、色んな人たちにポッドキャストで声を届けたタケトリ・オキナとは「一体何者なのか?」「何故ポッドキャストを始めたのか?」という謎の真相にも少しずつ近づいていくところにも、ミステリのような面白さがあります。

 今作の帯にあるような「最高傑作」などの謳い文句には違和感があって、特に青山さんの作品はどれも読んだ人たちにとっての最高傑作になり得ると思っています。

『月の立つ林で』も、青山美智子さんの作品を知らない方は勿論のこと、読んだことがある方にもオススメしたい素晴らしい作品です。

 

 

2.町田そのこ『宙ごはん』小学館

 

この物語は、あなたの人生を支えてくれる

宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった。
宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづけた。
全国の書店員さん大絶賛! どこまでも温かく、やさしいやさしい希望の物語。

 

https://monbran-likes-gentle-life.hatenablog.jp/entry/2022/09/13/170907

『宙ごはん』は以前にもブログで書いていたので、新たに書き添えられることがあまりないんですよね。それでも、イチオシ本として挙げるタイトルで真っ先に思い浮かんだのが、この作品でした。

 町田そのこさんは『宙ごはん』について、次のようなコメントを残しています。

明日を生きるためのごはんは美味しいばかりじゃない。今日を乗り越えてゆくための食卓を描きました。

 既に読み終えている一読者の僕は大きく頷きました。

 明日やその先のことなんて簡単に考えられない、今日を生きるのもしんどいような人たちが、それでもごはんを食べてお腹と心を埋めるような、そんな食卓が『宙ごはん』では描かれていました。

 以前にも書きましたが、よくある美味しいごはんを食べて癒されるような日常系ストーリーを期待していたら絶対に痛い目を見ます。

 あらすじは全く違いますが、『渡る世間は鬼ばかり』なみに波瀾万丈です。それだけに、読みごたえのある、「読んで良かった」と思えるような作品でした。

 

 

3.山田風太郎八犬伝(上・下)』角川文庫

 

文化十年、江戸飯田町の小さな家屋で、作家・滝沢馬琴は画家・葛飾北斎に語り出した。宿縁に導かれた八人の犬士が悪や妖異と戦いを繰り広げる『南総里見八犬伝』である。落城寸前の安房・滝田城で、時の城主・里見義実が一縷の望みを愛犬・八房に託したことをきっかけに、里見家の運命が動き出す――。闊達自在な伝奇「虚の世界」と、執筆への執念を燃やす馬琴を綴る「実の世界」を、緻密な構成で見事に交錯させて描いた傑作。

 

 最近のマイブームである山田風太郎作品の中でも、個人的最高傑作がこの『八犬伝』です。新版が去年の11月に発売されて、手に取った途端、瞬く間に作品世界に魅き込まれました。

 原本となる『南総里見八犬伝』と滝沢馬琴は日本史でも学んだ名前でしたが、実際に読んでみようとなると心が折れます。馬琴が28年かけて書き続けた長編なので、ちょっと読んでみようと思った学生時代の自分に「あ、無理」と言わしめた作品でした。

 しかし、山田風太郎版『八犬伝』はシンプルかつ明快に『南総里見八犬伝』が描かれていて、いとも容易く血湧き肉躍る怪異譚に出逢わせてもらえました。

 その一方で、「実の世界」として書かれる滝沢馬琴の姿も、『南総里見八犬伝』の物語としての緊張感の邪魔をせず、返って距離感を縮める効果があったように思います。

 それだけに留まらず、ドキュメンタリーとして面白さもありました。妻には愚痴をこぼされ、息子には厳しく接するあまり萎縮され、ご近所トラブルも絶えない。「文豪=人格者とは限らない」のは近代だけでなく、少なくとも江戸時代にまで遡ることができるかもしれません。それでも、馬琴は大分マシな部類ではあるのですけれど。

 勤勉かつ頑固者な滝沢馬琴から自由闊達な物語が生み出されることを、作中の葛飾北斎も不思議に思っていましたが、「虚の世界」たる『南総里見八犬伝』をよく読み解くと、馬琴のパーソナルな部分が表れているんですよね。

水滸伝』の影響があるところから馬琴の教養を感じさせ、女性や親子関係の描かれ方にも馬琴の価値観が滲み出ています。「虚」と「実」は異なりながらも、決して交わらないものではないのです。

 時代小説と聞いて、文体の違いから読み辛そうと思う方も少なくないと思いますが、騙されたと思って読んでみてください。歴史を娯楽に落とし込む軽妙な文体と巧妙なプロットで、ページを捲る手が止まらなくなること請け合いです。

 

 

 

 さてさて、いかがだったでしょうか。

 ここで挙げたタイトル以外にも、面白かった作品はたくさんあったのですが、特にイチオシしたいものとなるとやはり、この3作になりました。少しでも興味を持ってもらえたなら嬉しいです。

 最近ではアンソニーホロヴィッツ作品に関心を持っていて、少しずつ手を付けているところです。時間もないのにね。

 次年度も労働に負けず、沢山本を読むぞ!

 

 ではではではでは、今回はこの辺で!