モンブランは静かに暮らしたい。

静かに暮らしたいのに、好きなことの話をすると静かでなくなってしまうブログです。

ポケットはふくらんだまま……

 ーーいくつもの夏を越えて、記憶は次第に薄れていく。

 

 

 喜びも、悲しみも、心を満たした様々な感情が今は遠き日のものとなる。

 

 

 さながら、その時大事だったものをポケットの中にしまった筈なのに、いつの間にか失くしてしまっているように。

 

 

 でも。ポケットを奥までまさぐると、時折欠片が残っていることがある。

 

 

 欠片だけではもう何もできない。

 何にもなれない。

 

 

 そう思って手に取ると、途端に記憶が脳裏に蘇る。

 

 

 大切な人たちと過ごした、あの夏を。

 どこまでも広がる青空を照らした、あの太陽を。

 

 

 ああ……。

 どれだけ月日が流れても。どれだけ出会いと別れを繰り返しても。

 

 

 “あの夏”の眩しさだけは忘れなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 はいっ、ということで偶には冒頭に変化をつけてみました。

 こんにちは、モンブランです。

 

 新型コロナの感染が広がり、学校の再開が延びて夏休みが終わった感じがあまりしませんが、暦の上では例年もう夏休みが終わる時期になりました。

 

 夏の暑さは全く引いておらず、僕のサマポケ熱も未だ冷めやらぬ今日この頃です。もう月姫も届いたのにね。

 

 さて、今回は前回語り足りなかったサマポケの話の続きをしたいと思います。前回もネタバレ要素が微量ありましたが、今回はガッツリネタバレします。

 サマポケ未プレイでネタバレを避けたい方は、大急ぎでブラウザバックしてください。

 

 

 

 ……大丈夫? ここにはもうサマポケ既プレイの人や、ネタバレ気にしないor問題ない人しかもう残ってないね? 大丈夫だね?

 

 

 

 よし、それでは本題に入りましょう。

 今回は大きく2つのテーマに分けて語りたいと思います。1つは僕の推しヒロイン・久島鴎さんについて。もう1つはサマポケの真の主人公について、前回のように濁すことなくガッツリ語ります。

 

 

 

①僕が久島鴎にハマった訳

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 僕のTwitterを見ていた方ならわかると思いますが、一時期「鴎が鴎で鴎な鴎」とうるさかったでしょう。

 そのくらい、この久島鴎にどハマりしていました。推しまくっておりました。

 このゲームは全体を楽しもうとしていて、別に推しヒロインを作ろうとは思っていなかったのですが、全ては鴎が魅力的過ぎるのが悪い。

 スーツケースを常に持ち運び、お嬢様然としていながらも、ノリが良く冒険好きでアクティブな性格。

 ……理想のヒロインが脳内から具現化したのかと思ったくらいでした。声も可愛いし。

 

 

 

 島を散策していた主人公・鷹原羽依里と偶然出会った鴎は、彼を冒険に誘います。

 それがどんな冒険かと言うと、10年ほど前にボーイスカウトのようなもので集まった彼女の仲間たちが隠した4つの鍵を探し、隠された宝を手に入れよう! というもの。

 上記の部分をもっと詳しく説明すると、

 

ロリ鴎、父が残した宝(?)の地図をもとに仲間たちと共に宝探しを始める。

地図の差す場所に海賊船(⁉︎)を発見するも、何らかの出来事により探索することができず引き返す。

鴎以外の仲間たちが地図を箱にしまい、その鍵を島の各所に隠して暗号で示す。

10年後にまた集まって宝探しをしようね!

 

 ということになります。鴎は仲間たちと再会することは叶わなかったものの、羽依里を誘って宝探しに駆り出そうとしています。

 他のルートではまともに相手をしていなかったのですが、鴎ルートでは羽依里は宝探しに本格参戦しています。

 暗号を解いて、二人はかつて隠された鍵をゲット! ……その隠し場所がいかにも子供らしいのですが、よく10年近くもそのまま残っていたなと思わなくもありませんでしたが。

 その地図の差す海賊船の場所へ出発!

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 羽依里は宝探しの日々の途中で度々既視感を覚えるようになりました。

 この島に来たのは初めての筈なのに、こうして誰かと一緒に島を駆け回り、宝探しをしていたような、そんな感覚が。

 ……はいはい、そう言うパターンね。

 本当は昔、島に来たことがあって、鴎の昔の冒険仲間の一人だったんだろう、と。

 回想の中で、冒険仲間の一人に“タカ”という男の子が居たので、それが羽依里だなと決めつけていたんです。

 

 しかし、これはミスリード。もう少しややこしい真相がありました。

 

 島の中でも結構奥まった場所だったので、テントでお泊り(⁉︎)、二人きりで(!!??)、お泊りしつつ目的の場所へと向かいます(ナニモナカッタヨ)。

 ともかく、一晩明かした後に二人は洞窟探検海賊船に辿り着きました。……海賊船とは言われていたものの、実物は難破していた小さな船。宝物を沢山積んだ海賊船とは程遠い。

 しかし、その船には宝箱がありました。箱を開けると……。

 

 

 と、ここまで語っておいて何ですが、ネタバレ云々はさて置いても説明してしまうと面白くないんですよね。

 続きはゲーム本編で! もしくはWebで?

 

 

 鴎ルートの魅力は「冒険の思い出。忘れられないひと時」みたいなものです。

 それと、鴎ルートではそこまでガッツリ恋愛関係にまでは至りません。

 他のルートでは完全に恋人同士になるものもありますが、鴎とは友達以上恋人未満みたいな距離感です。少々物足りなさがなくもないですが、内容を考えるとちょうど良いかと思います。

 再プレイしてみたら、家にメイドしに来てくれたりと、十分イチャイチャしていましたし。

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 詳しい理由は後述しますが、はっきり言わせてもらいましょう。

 

 羽依里はしろはと幸せになれ。

 俺は久島鴎を貰う。

 

 

 

 

②うみちゃんに涙腺をぶっ壊された話

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 そろそろ良いよね?

 うみちゃんについて語っても良いよね?

 

 前回のブログでも申し上げたように、このゲームに散々泣かされてきました。泣かないドライモンブランとして有名だった僕が信じられないくらいに。他のルートもめちゃくちゃ良かったのですが、涙腺がぶっ壊れたんじゃなかろうかというくい泣いたのは、うみちゃんに纏わる話でした。

 この子が戦犯幼女です。なんと罪深い……。

 責任取って幸せになってくれ。

 

 

 

 さて、初期から謎な部分も多かった彼女ですが、その正体に気付くまでを書いていきますね。

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 うみちゃんと言えばチャーハン。朝から晩まで、ありとあらゆる食材でチャーハンを作るチャーハン大好きっ子でした。おかげで毎日チャーハン健康生活を送っていたのですが、ここで早速違和感があったのでした。

 うみちゃんは島の外出身だと言っていましたが、この島の住民たちもチャーハン大好き過激派な人々ばかりで、この一致は偶然なのか? ひょっとすると、うみちゃんは本当は島の関係者なんじゃないか?

 チャーハンが全ての疑問のスタートでした。

 

 次いで、まずサマポケを攻略する上で最初にしろはルートを進めていた時のことです。

 しろはルートでは、自分や自分の周りの人間の不幸な未来を見てしまう能力を持つしろはを支えることになります。しろはは夏祭りに行う島の儀式中に自身が海で溺れ死んでしまう未来を見てしまった為、羽依里はそれを回避するべく奮闘します。

 その一環として、羽依里もしろはと蝶番の儀で仮初の夫婦関係を築くことで祭りの儀式に参加しようと試みます。

 その蝶番の儀の直前に、羽依里は僅かな間、迷い橘という異空間に迷い込んでしまいます。そして、そこに何故かうみちゃんの姿が。その理由を訊ねてもはぐらかされて、結局ルートをクリアしても有耶無耶なままでした。

 印象に残っていたこの出来事なのですが、他のルートではありませんでした。どころか、他のルートでは殆どうみちゃんは本筋に関わってきません。

 何故しろはルートでだけあんなことが……?

 

 あとは、これは露骨な変化です。各ルートを攻略していくごとに当然最初からやり直していく訳なんですが、うみちゃんがどんどん幼児退行していきます。

 最初は歳の割にしっかり者だと思っていたのに、次第に上手に作れていたチャーハンも下手になっていき、立ち居振る舞いもどんどん幼女化していきます。それはそれで可愛いんですけど、やっていて結構不気味でした。

 

 この症状は、各ヒロイン攻略後に現れるALKAルートでは、ついに殆ど口も聞かない人見知り幼女になってしまいます。3〜4歳の子ってこんな感じだよね、みたいな。

 さらに、ALKAルートで初めてうみちゃんの名前の漢字が「羽未」であることが判明します。

 ……ん? “羽”?

 ここに至るまでに伏線や仄めかしがあったので、「もしかして……」とは思っていました。が、ここまで来れば予感は確信になります。

 

 正体はひとまず置いておいて、父親と上手くいっておらず母親を亡くしているらしいうみちゃんのために、「“おかーさん”と楽しい夏休みを過ごしたい」という願いを叶えるべく、羽依里はうみちゃんの“おかーさん”役を引き受けてくれる人を探し始めました。

 結果、白羽の矢が立ったのはしろはでした。先述の能力の為、人を遠ざけがち&人見知りな彼女は最初は難色を示したものの、母を求めるうみちゃんの姿に、幼少時に両親を亡くした自身を重ねたのでしょう。スイカバー1日1本で契約してくれました。

 ありがとう、スイカバーさん(出典:紬ルート)。

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 以上のような成り行きで、仮初ではありますが、しろはがうみちゃんの“おかーさん”になってくれました。思えば、言葉少ないこの時のうみちゃんも、しろはに対してだけは特別な反応を見せていました。人見知り同士で始まった親子関係も、次第に打ち解けていきます。

 

 このルートではうみちゃんは羽依里のことを度々“おとーさん”と呼ぶことがありました。

 

 しろはが“おかーさん”で、羽依里が“おとーさん”……。

 

 幼女化著しいうみちゃんが、今までは隠していたであろう秘密をポロッと喋りました。

 自分が羽依里としろはの間に生まれた娘で、しろはは自分を産んだ時に亡くなっており、しろはと同様の能力を使って「“おかーさん”と楽しい夏休みを過ごす」為に過去にやって来たことを。

 

 伏線は結構ありました。既に書いたこともそうですが、決定的なのは時代背景です。

 年月は明記されていないものの、現在の羽依里がMDプレイヤーを当たり前のように使っていることから、現在の時代は90〜00年代と推測できます。一方、うみちゃんはラジオ体操で貰える景品のことを「ろぐいんぼーなす」と言っていることから、2010〜年代以降の人間だと読み取れますね。

 

 しかし、このゲームは超自然的な能力をノーリスクで行使することを許してくれません。うみちゃんは何度も過去へ戻るうちに、自分の記憶や存在などが欠けてきており、幼女化もそれによるものでした。

 そして、うみちゃんはこのルートの夏休みのことを「さいごのなつやすみ」と言っていました。

 ……嫌な予感しかしねえ。

 うみちゃんが絵本として描いて欲しいと願った『蝶の話』はまるで彼女の顛末を喩えているようで。

 その上、しろはルート同様、海で溺れ死ぬ予知を回避することに成功するものの、その後からうみちゃんの幼児退行はついに赤ちゃん返りレベルまで進んでしまいます。さらに、一緒に時間を過ごした島の人間たち、羽依里やしろはの記憶からも次第にうみちゃんの存在が消えていくのです。

 ただ消えるのではなく、記憶ごと存在を忘れてしまう。

 忘れたことさえも忘れてしまう。

 最上級の恐怖に襲われつつ、先に進めていましたが……、

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 三人で見ていた花火。

 羽依里としろはの間に居たうみちゃんは居なくなり、居なくなったことさえもわからなくなった二人。

 大切な誰かが隣に居た筈なのに、それが誰かも思い出せない。理由もわからないまま、自然と涙が流れるのでした。

 ……今でこそ、僕も冷静にこれを書いていますけど、ゲームやってる時はガチの悲鳴を上げていました。

 ギャルゲーやってて「誰か助けて!」と叫んだのは初めてです。ガチの絶望です。

 

 

 ここから救われる方法はあるのか!!??

 続きはゲーム本編で!!!!

 

 

 ……言い訳をさせてください。

 うみちゃんの可愛さを語ろうとしたんです。

 うみちゃんの健気さを訴えようとしたんです。

 でも、ここまで書いてみて気づいたんです。「ゲーム本編やんないとわからなくね?」と。

 かと言って、ゲーム本編をやってる人たちには今更言うまでもないでしょう。

 

 

 加藤うみちゃんーー鷹原羽未は自らの全ての力を使って、自らの存在を失ってまでもしろはを助けようと、しろはが能力を得る前の過去へと旅立ちます。

 それが最終のPocketルートです。ここで全ての決着がつきます。

 ところで、後で知ったのですが、サマポケの無印版ではPocketルートの途中までで終わっているそうです。無理もありません、目的を果たした羽未を最後に導いたのは、RB版でしか登場しない“彼女”なのですから。

 そこまでやって、ようやく羽未もプレイヤーの僕も救われた気持ちになりました。

 

 

 ガチの絶望からの超ハッピーエンド。気持ちのアップダウンが激しかったものの、社畜にあるまじき心から充実した夏休みを過ごすことができました。

 ありがとう、Summer Pockets

 ポケットはふくらんだまま、夏の先へと歩き続けよう。

 

 

 具体的には、デレステ6周年まで。

 ではでは、今回はこの辺で!

 

 

 

 

 

 追記

 上記の内容を踏まえて、「羽のゆりかご」「アルカテイル」「ポケットをふくらませて」を聴いてみて欲しい。めっちゃ良いから。