モンブランは静かに暮らしたい。

静かに暮らしたいのに、好きなことの話をすると静かでなくなってしまうブログです。

今年の推し漫画2020

 こんにちは、モンブランです。

 ……え、12月ってもう終わるの? 早くない?

 年末の人々の慌ただしさから「師走」とも呼ばれるこの時期ですが、人々よりも月日の方が全力疾走しているかのような感覚を覚えます。

 今年は世間的にもプライベートでも共に色々なことがあったので、来年はもう少し落ち着いて過ごせたら良いんですけどね。

 ブログ名からして「静かに暮らしたい」ですから。

 

 

 さてさて、今回は今年読んだ漫画の中でも、一際推したい作品を紹介したいと思います。

 

1.赤坂アカ横槍メンゴ『推しの子』

「この芸能界において嘘は武器だ」 地方都市で、産婦人科医として働くゴロー。芸能界とは無縁の日々。一方、彼の“推し”のアイドル・星野アイは、スターダムを上り始めていた。そんな二人が“最悪”の出会いを果たし、運命が動き出す…!?

かぐや様は告らせたい』の赤坂アカ先生が原作、『クズの本懐』の横槍メンゴ先生が作画を担当するという、最強タッグの漫画です。

 連載開始前から期待大でした。両方のファンだったので、“ぼくのかんがえたさいきょうたっぐ”かと思ったくらいです。

 ……実際に最強に面白かったので、今こうして推し漫画としてご紹介しているんですけどね。

 内容について、もう少しだけ掘り下げていきます。

 

 アイドルと産婦人科医の“最悪”の出会い……つまりは、アイドルの妊娠です。父親はアイ以外は知らず、周囲の反対にも引き下がらず彼女は子どもを産む気満々。推しアイドルの妊娠で落ち込むゴローでしたが、アイの強い意志に押されて、医者として無事に出産できるよう支えることを決意します。

 しかし、どこからかアイの妊娠を嗅ぎつけたストーカーが現れ、アイを守ろうとしたゴローは命を落としてしまいます。

 その後、アイは無事に双子の赤ちゃんを出産できました。双子の兄妹の兄には前世の記憶がありました……そう、アイの妊娠中に命を落としたゴローがアイの子どもに転生していたのです。

 

 ここまででも充分お腹いっぱいな内容でしょう。しかし、あくまで上記の内容は第1話分だけ、いわばプロローグに過ぎないのです。

 “推しの子”という立場から芸能界に関わることでアイを支えたり、時に自身が芸能の仕事に関わったり、双子の妹も実は転生していたり、先の読めない展開が続いていきます。

 そして、1巻のラストには読んでいて思わず「えっ⁉︎」と声が出てしまったほどです。

 現在2巻まで発売されており、巻数も重なっていないため、手に取りやすくなっているかと思います。

 ぜひぜひ読んで欲しいです。『推しの子』オススメです!

 

 

2.くゥ『少女漫画主人公×ライバルさん』

木村さんと檜山さんは水嶋くんをめぐる恋のライバル…!のはずが!?
私、木村ほのか。地味で目立たない高校一年生。そんな私だけど、好きな人がいるの。水嶋蒼くん――人気者の彼は私には手が届かない存在…。しかも水嶋くんのそばにはいつも檜山由莉奈さんがいる。才色兼備で誰からみても二人はお似合い。でも諦めたくない、私、檜山さんとは恋のライバルなんだ! 檜山さんに絡まれようと、呼び出されようと、壁にドンってされようと、どんなに怖くても…! って思ったんだけど、なんで檜山さん私のことを「好き」って? 少女漫画主人公の木村さんと、ライバルの檜山さん二人の関係性が気になるラブ?コメディ。

 

 ひと昔前の少女漫画のテンプレとして、地味で自己評価も低い主人公がひょんなことからイケメンの男子と接点を持って関係を進展させていくラブコメがありました。また、そのライバルポジションになるのは、完璧でイケメンとも並び立てるほどの美少女というのが定番です。

 ちょっとドロドロしたストーリーだと、その美少女ライバルが地味主人公をいびるシーンもあります。

 この作品でも途中まではそういう話なのかと思ってしまいます。

 が、それは大きな勘違い。美少女ライバル・檜山さんが愛してやまないのは、なんと地味主人公・木村さんだったのです。

 檜山さんは水嶋くんのことなんてアウトオブ眼中、木村さんへのアプローチを繰り返します。

 木村さんもそんな檜山さんに引き気味だったものの、徐々に意識するようになってきて……。

 そして、普通の少女漫画だったら中心に居るはずのイケメン・水嶋くん。物語が進むにつれて面白いほどアウェーになっていきます(笑)。

 ガールズラブとしてよりも、王道とのギャップが笑えるコメディー漫画として、僕はとても気に入っています。

 元がpixivの漫画だったためpixivでも読めますし、大幅描き下ろしの単行本も既刊2冊なので、こちらもとても手に取りやすくなっているかと思います。

 少女漫画やガールズラブが苦手だったら縁がなかったりする人にも、オススメしたい漫画です。

 

 

3.三島芳治『児玉まりあ文学集成』

児玉まりあ文学集成 (1) (トーチコミックス)
 

児玉さんはまるで
詩のように
改行の多い
話し方をするーー

文学部部長にして唯一の部員である、完全無欠の文学少女・児玉まりあと、
有望なる部員候補・笛田くん。特殊で濃密な二人きりの文学部活動。

比喩・記号・語彙……文学の構成要素をテーマに、
孤高の才能が描く静寂と浮遊感、とびきりのポップ。
詩情あふれる台詞と画面、ミステリのように反転する物語。
近いようで遠い文学と漫画が、かつてないほど接近した奇跡の怪作!

 これは後輩に教えてもらった漫画です。多分教えてもらわなければ手に取ることもなかったんじゃないかと思います。

 独特な世界観に「これは何だろう?」と、疑問と好奇心を持ちながらゆっくり読み進めていくと、それでもやっぱりわかるようなわからないような……。その曖昧さが作品に奥行きを与えていて、読んでいてクセになります。何度も読み返したくなるタイプの作品です。

 そして、着眼点がとても面白い! 直前の文でも使った「!」のような記号を新しく作ってみようとしたり、身の回りのものに比喩をつけてみたり。文学好きがやってみたいことの数歩先を行くような試みが、読んでいてほんの少し憧れます……この作品世界の雰囲気の中でしかしっくり来ないので、あくまで「ほんの少し」なのですが。

 あとは、この作品のことを教えてもらった時にも言われていたのですが、第5話は読んでいてゾクっとしました。どこか空白の多い描写の意味、児玉さんの見え方、笛田くんのモノローグ、総てが腑に落ちると共にちょっぴり怖くもあって。ぜひぜひその目で確かめて欲しいです。

 この作品は静かな場所で一人でじっくり読んで欲しいかなと思います。何かの隙間時間に騒がしい場所だと集中しきれないか、逆に集中し過ぎて元の俗世に戻れなくなりそうだからです。あくまで僕個人の印象なんですけれどね。

 ちなみに、僕は2巻の井上さんの話が一番好きでした。

 あにはからんや、この漫画も既刊は2冊。レーベルと出版社がマイナーで本屋さんで探すのが大変なので、通販や電子書籍で買うのが良いかも知れません。

 僕は教えてもらった翌日にKindleで揃えました。

 

 

 いかがだったでしょうか。上記作品以外にも、大人買いしたジョジョ7部だったり、来年1月に映画が公開される銀魂を読み返したりなど色々読んでいたのですが、今回は敢えて新規の作品を紹介させていただきました。

 意図していないものの、3作品とも既刊は2冊なので「ちょっと読んでみようかな」感覚で手を出しやすいと思います。

 故にちょっと読んでみてください!

 面白いから!

 慌ただしい今年に良い憩いの時間を与えてくれた漫画たちに多大な感謝を捧げつつ、来年も面白い漫画と出会えるように願いながら。

 今年のブログの締めとさせていただきます。

 皆様、良いお年を〜〜!