机に座って文章を書くのはいつ以来だろう。
もちろん最近まで学生をやっていた身分だから教室の机に齧りついていたことはあったけれど、きちんと自分の机で正面から書き物と向き合うのはひょっとしたら高校生以来かもしれない。
試験のための勉強。文字通り強いられていた学習は楽しいわけがなかった。
当時を彷彿とさせるのか、僕は机で文章を書くことを無意識に避けるようになっていた。
例えば、電車の移動中、大学の授業中(ダメだゾ)、仕事先の車の中、休憩スペースの隅っこ。専らスマホのテキストアプリのお世話になっていたお陰で、場所を選ばずに文章を書くことができた。
作業効率もなかなか悪くない。
以前、大学の授業ひとコマの間に短編小説を1本書き上げたこともあったし、そもそもこのブログにしても、ほとんどの記事が昼休みの内10〜20分ほどで書かれているのだ。ペースも分量も申し分ない。
とはいえ、机で文章を書かないというのは結構致命的な問題な気もする。練習だけ得意で本番に弱いみたいな、そんな感覚だ。不味い。非常に不味い。
そんなこんなで、今回のブログはいつものようにスマホでチャチャっと書き上げるスタイルでなく、きちんと机の上で書いているのだけれど、これが中々捗らない。
事前に今回何を書くのかを考えてこなかったという致命的なミスを差し引いても、筆の進みが良くないのだ。
どうしよう。何書こう?
ノープランでペンを持つもといキーボードに向かってはいけなかった。
救いを求めるように自室内をキョロキョロと見回していると、不意に本棚が目に入った。僕の身長よりもさらに高く、天井近くまである大きな本棚だ。
日除けをめくって並ぶ本を検めると、何というかカオスとしか言いようのないラインナップだった。少年漫画・少女漫画、小説、新書、歴史書、論文集、画集etc……。アカデミックなのか無節操なのかよくわからない。
僕はその中でも本棚の右上にある絵本の中から、気まぐれにとある1冊を手に取った。
教科書にも載っていた名作『わすれられないおくりもの』。
読むのは10年以上ぶりになるけれど、読んだ時の感動は色褪せない。
むしろ、大人になってから読むことで新たに発見できたこともある。
生前自らが切り紙、料理、スケートやネクタイの結び方を教えた他の動物たちのことを、アナグマは「友達」と呼んでいるのだ。アナグマの方が年長者で、その上教えを授けているのだから、先生と生徒、老人と孫のような関係を想起させるけれど、アナグマはあくまで彼らを「友達」という対等な存在として扱う。
動物たちがアナグマから多くの「おくりもの」を貰ったように、アナグマも彼らから「おくりもの」を受け取っていたのかもしれない。
あくまで想像ではあるが、子供の頃にはできなかった読み方だ。
僕は満足して再び本棚に戻す。いつか年月が経った後で再び手に取った時に、また読み方が広がっていると考えると楽しい。
……ふと思いついた。ここまでのことをブログとして書いて載っけたら、内容の是非はさて置き、一個の記事として成り立つのではないか。目からアロワナくらいの鱗がごろっと落ちた。
ということで、水を得た魚のようにアイデアを得た僕は手早く記述を済ませて、労せず1200字以上の文章が出来上がった。
おっといけない、いつも書いている挨拶を書き忘れてしまった。人に読んでもらう文章を書く以上、礼儀としてきちんと挨拶をしておかねば。
そうして、僕はスマホを手に取って………、
どーーもーーーー、モンブランでーーーーす!!!!v(`ゝω・´)キャピィ☆
…………ちょっと待ってください違うんです引かないでください正気です。
30回超えたから以降はテンションアゲアゲでお送りしようとかそういうのではありません。
軽ーくギャップネタで遊んでみたかっただけです。
デレマスの依田芳乃役の高田憂希さんのように、挨拶の時に役名まではお淑やかなのに自分の名前の部分から普段の活発なテンションが出ちゃうみたいな感じで遊んでみただけなんです(オタクの早口)。
ただ、たまには机で書くのも良かろうという趣向は本当のことで、机でじっくりブログを書く「机上のゆったり日記シリーズ」を始めてみようかと思います。
前にやった本や音楽遍歴の話みたいな企画ものが1個増えたと認識していただければ大丈夫です(ドラクエの話の続きもいずれは……)。
ここ最近はプライベートで色々あってブログの方がナゴヤドーム以来失踪気味だったのですが、また細々と再開していきたいと思います。
アラサーの次はアラフォー目指してがんばるぞいっ!
ではでは、今回はこの辺で!