モンブランは静かに暮らしたい。

静かに暮らしたいのに、好きなことの話をすると静かでなくなってしまうブログです。

晴れの日も雨の日も本を読みたい(1)

 こんにちは、モンブランです。
 ところで、「晴耕雨読」という四字熟語をご存知ですか?
読んで字のごとくなのですが、晴れた日には田畑を耕し、雨の日には家で読書するという意味です。
 この四字熟語一括で悠々自適な暮らしを表したりもするのですが、僕ほどの本読みかつ怠け者なら「晴読雨読」が理想的な気がします。


 さて、そんな感じで本を読むことが好きな僕。Twitterではほとんどソシャゲのことし

か呟いていないくらいに日頃ソシャゲをやっているのですが、それでも週に最低1〜2冊は読んでいます。いっぱい本を読んでて偉いねって褒められたい訳ではなく、単に活字中毒なだけです。第一、本を読んでて偉いというのも引っかかりを覚えますが。


 少し前置きが長くなってしまいましたが、これから僕がしたいのは最近読んで面白かった本の話です。
 本の好みは人それぞれでも、人から勧められて読んでみたら面白くてハマってしまったというのはよくあることと思います。なので、僕がこれから紹介する本について話半分くらいで読み流しながらも、少しくらい興味を持てたら手に取っていただけると嬉しいです。


1.舞城王太郎煙か土か食い物講談社文庫

 

煙か土か食い物 (講談社文庫)

煙か土か食い物 (講談社文庫)

 

 


 初っ端に紹介するのもアレかと思うくらい、舞城王太郎さんの小説は癖がすごいです。僕が舞城さんの小説を初めて読んだのはジョジョのノベライズで、格安で手に入ったので何となく読んでみたらその文章に圧倒されてしまいました。
 特徴としてはまず、語り手の人物による口語的な文章で一貫して語られています。これは割とよく見るのですが、更に句読点や改行が少ないのは舞城さん特有だと思います。句読点や改行が少ないと普通だったら読みにくいでしょう。でも、文章のリズムが良くて不思議と読めてしまいます。
 ぱっとページを視界に入れた時は正直ビビりますが、そこでページを閉じずに騙されたと思って一章分を読んでみてください。きっとその不思議な世界観と小気味良い文章にハマってしまうはずです。
 ちなみに、内容は一応ミステリです(笑)。


2.入間人間安達としまむら(8)』電撃文庫

 

安達としまむら (電撃文庫)

安達としまむら (電撃文庫)

 

 


『みーまー』や『電波女と青春男』でお馴染みの入間人間さんの人気シリーズの最新刊ですね。
 授業をサボって体育館の2階でピンポンをやっていた2人の女子高生、安達としまむらの日常のお話です。
 この作品はいわゆる“百合”のラノベとして有名なのですが、恋愛よりも対人関係における心理の機微が繊細に描かれているので、百合好きもそうでない方にも推したい小説です。
 例えば、安達はこれまで他人に関心を抱かなかったものの、しまむらが気になりだしてから人に向き合うことを覚えていきます。当初はクールだったキャラがどんどん挙動不審可愛い感じに崩壊します。今や見る影もない(笑)
 一方、しまむらも寛容なようで実はこれまでの人付き合いの中で擦り減らしていた感情を安達からの純粋な好意を向けられて徐々に取り戻していきます。
最新刊は2人が付き合い始めてからしばらく経った後の修学旅行のお話で、距離がさらに縮まった様子が窺えました。
 あと、アニメ化が決定しました。生きがいが増えました。
 アニメがどのようになるかはまだ現時点ではわかりませんが、文章がとても好きな作品なので、少なくとも原作がアニメの劣化版になるようなことはないと思います。楽しみです。


3.井上真偽『恋と禁忌の述語論理講談社文庫

 

恋と禁忌の述語論理 (講談社文庫)

恋と禁忌の述語論理 (講談社文庫)

 

 


 ドラマ化もされた『探偵が早すぎる』で有名な新進気鋭の作家井上真偽さんがメフィスト賞を受賞した作品です。
 こちらもミステリ小説なのですが、主人公は名探偵ではなく数理論理学のスペシャリスト。推理をするのではなく、名探偵たちが解決した事件の推理の検証を行います。
男子大学生・詠彦が、自身が巻き込まれ既に探偵たちによって解決した事件を叔母である天才美人学者・硯に持ち寄り、彼女に事件を検証してもらうのがこの物語の一連の流れとなります。
 硯さん曰く、論理学は「すべての人間の思索活動の頂点に立つもの」。数理論理学を用いて、事件の真相の奥にある真実が次々と暴かれていきます。
 僕自身数学が苦手で数理論理学なんて見向きもしたくないくらいでしたが、作中の説明はそんな僕にもとても分かりやすく、理解するのは難しくありませんでした。
 また、井上さんの小説は後半に大きなどんでん返しが待ち受けているので、読んでいて今回も一杯食わされました。とても面白かったです。


4.江戸川乱歩『幽霊塔』岩波書店

 

幽霊塔

幽霊塔

 

 


 たまに古典ミステリを読みたくなる衝動に駆られることがありませんか︎
古き良きクローズドサークルノックスの十戒をちゃんと守ってる! 謎を解いた先の美女と宝!
 そういうのを摂取したくなる気分になることが僕にはあるので、実家から引っ張ってきました。
『幽霊塔』自体は戦前に書かれた作品ですが、宮崎駿監督によるジブリ美術館の企画展のモチーフにされたことで再注目されました。
 またこの単行本では、宮崎監督による漫画やアニメ映画化した場合の絵コンテなどが冒頭に付いているので、ジブリファンも必見ものです。
 舞台は大正時代の長崎。資産家の叔父にして養父が買い取った幽霊塔と呼ばれる時計塔に訪れた青年北川光雄は、謎の美女・野末秋子に出会います。この時計塔は惨殺された老婆の幽霊が彷徨うという噂のある場所で、そんな所で秋子は何をしようとしていたのか? 光雄は秘密を抱える秋子に惹かれ、暗躍する人々を退けつつ時計塔の謎に挑みます。
 謎とロマンに満ちた怪奇小説で、読んでいて非常に冒険心をくすぐられます。こういう読書体験はなかなか得難いものなので、これからも大事にしたいです。

 


 いかがだったでしょうか。上に挙げたものの他にもちょこちょこ読んでいるのですが、とりあえず最近読んだ中でも特に面白かった4作品を紹介してみました。
 読んだ本の話をするのも読書家の間では楽しいのですが、最近はそういった機会にあまり恵まれないのでこうした形で語り散らすのはとても楽しかったです。

 楽しかったのでまたやります(断言)。

 読書欲も満たされ、ブログのネタにもなり、読書することで一石二鳥ですね。

 僕自身が惜しみつつ、今回はこの辺で。

 ではではっ。