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静かに暮らしたいのに、好きなことの話をすると静かでなくなってしまうブログです。

涼宮ハルヒの帰還

 こんにちは、モンブランです。

 このブログの記事数も今回で50回に到達しましたー! イェー! やったねー!

 この節目に何について語ろうかと悩んだのですが、割とすぐにある結論に至りました。

 

 ……ハルヒだ、と。

 

 僕も区分的には文句なくオタクに属しているのですが、その道を歩み出したきっかけは間違いなく、涼宮ハルヒにハマったことだと思います。

 その上。その上ですよ!

 

涼宮ハルヒの直観 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの直観 (角川スニーカー文庫)

  • 作者:谷川 流
  • 発売日: 2020/11/25
  • メディア: 文庫
 

 

 ハルヒの新刊が9年半ぶりに発売されるとなっては黙っちゃいられませんね!

 ということで、今回は涼宮ハルヒの魅力を僭越ながら改めて語らせてもらいつつ、いかに僕がその沼に落ちていったかをお話ししましょう。

 

 

 

1.原作小説を読もう!

 

 あらすじやアニメについては、もうあらゆるところで語り尽くされ、今さら僕が口を挟めるところはなさそうなので、原作小説について改めてお話ししたいと思います。

 原作は第8回スニーカー大賞の大賞を受賞した『涼宮ハルヒの憂鬱角川スニーカー文庫)』から始まり、現在11冊発売されています。最近では角川文庫でも発売されていて、各巻には筒井康隆さんを始めとした著名人が解説を入れています。

 僕が涼宮ハルヒを知ったきっかけはアニメだったのですが、もしも原作小説の方が面白くなければ、我ながらここまでハマることはなかったでしょう。

 それだけ原作小説が面白いのです。

 アニメでのナレーションにも反映されていましたが、小説では主人公のキョンによって全編語られています。

 このキョンの語りが面白くて、SOS団で一番学業成績に難があるにも関わらず、古今東西の故事や歴史、宗教から映画、文学、様々な人物の言動や科学分野の専門用語などを度々引用・暗喩・婉曲表現したりなど、本当は頭良いんじゃないのかと思ってしまうくらいです。

 いくつか例を挙げさせてください。

 

 

“運命なんてものを俺は琵琶湖で生きたプレシオサウルスが発見される可能性よりも信じない。だが、もし運命が人間の知らないところ人生に影響を行使しているのだとしたら、俺の運命の輪はこのあたりで回り出したんだろうと思う。きっと、どこか遥か高みにいる誰かが俺の運命係数を書き換えやがったに違いない。”(『涼宮ハルヒの憂鬱』より)

 

 キョンの語り口が凝縮されている一連の文章です。知性があるんだか、捻くれているんだか、それでも不思議と頭に入りやすい魅力があります。

 

 

“この長門の精神状態はまるで一貫していない。それともこの時期の 平均的な高校女子一年のメンタリティはクジラ座α星の変光周期並みに不規則なのか?”(『涼宮ハルヒの消失』より)

 

 天文学には疎いもので、というか普通の高校生が想起するような比喩ではありません。天文学……高校の教科で言えば地学にあたるでしょうか。一応センター試験の理科の中にもありましたが、地学を選択する人なんてかなりのマイノリティーだと思います。

 ……あれ、もうセンター試験ってないのか?

 

 

“さばさばと言ってのける鶴屋さんがひたすら頼もしい。いつまでも朝比奈さんとペアを組んでて欲しいね。ハートとダイヤのクイーンでツーペアだ。鶴屋さんがそばにいる限り、朝比奈さんにちょっかいを出そうなどという不埒者は現れないだろうからな。ハルヒ? ああ。あいつはジョーカーが相応しい。ファイブカードには不可欠のな。”(『涼宮ハルヒの分裂』より)

 

 マイナーな場面と文章ですが、僕がシリーズの中でも一二を争うほど気に入っている文です。ジョーカーというハズレ者にも関わらず、ファイブカード、つまりSOS団の5人を結びつけるのに不可欠な存在だということが語られています。『分裂』ではハルヒキョンたちが進級していて、時間の経過とそれに伴う結束の強さが窺えて、故に僕の中でもかなりお気に入りの比喩なのです。

 

 

 いかがだったでしょうか。11冊発売されている小説の、本当にごく一部に過ぎないのですが、少しでも原作小説の良さが伝われば嬉しいです。アニメでも小説の時の雰囲気を忠実に描くため、キョンのモノローグが多用されていました。特に『涼宮ハルヒの消失』では約160分の映画でキョンの語りが多く盛り込まれていて、キョンを演じていた杉田智和さんすごいなーと感心しました。

 ライトノベルの中でも古典に片足を突っ込みつつある涼宮ハルヒシリーズですが、令和になった今でもより多くの人たちに読んでいただきたい名作です。

 

 

 

2.涼宮ハルヒにハマった僕の話

 

 ぶっちゃけた話、もうエンドレスエイトの話は聞き飽きたでしょう?

 作者の谷川流さんが冨樫病に罹っただの何だの、もうあらゆるところで書き散らされてきたでしょう?

 何番煎じかもわからない話をしても無駄だと思うので、ただの涼宮ハルヒにハマった僕の話をします。別に良いじゃない、日記だもの。

 僕が涼宮ハルヒシリーズにどハマりしたのは、中学生の頃です。

 昔から読書少年だった僕は小学校高学年ごろは江戸川乱歩の少年探偵シリーズや、シャーロック・ホームズ、ルパンシリーズなどを読み耽っていました。ミステリのジャンルが好きだったんです。奇怪な謎を知恵でもって解き明かす話が、たまらなく大好きだったんです。

 中学生になった頃には東野圭吾さんなどの日本のミステリ小説を読んでいることが多かったです。が、少々飽きてきていました。

 本を読むことそれ自体は大好きなままだけれど、そろそろ新しい息吹を取り込みたい。

 そう思った矢先、友達の家で涼宮ハルヒのアニメの一部を視聴したんです。何のエピソードだったかは思い出せなかったのですが、新鮮な面白さを感じたことは覚えています。

 さらに調べてみたところ、涼宮ハルヒ角川スニーカー文庫というライトノベルのレーベルから出ている小説シリーズだということがわかりました。

 確か、中学の期末試験の前日だったと思います。塾の途中に本屋に立ち寄って、初めてライトノベルのコーナーを覗きました。試しに『憂鬱』だけでも買ってみようかと。

 すると、本当に偶然だったのですが、その時発売されていた涼宮ハルヒの小説は、『憂鬱』から『分裂』までの表紙が一枚絵で繋がったパノラマカバー版だったのです。

 1冊だけ買ってもなぁと思って、つい発売されていた『憂鬱』から『分裂』までの9冊全部買ってしまいました。

 試験の前日に何をやっているんだと、今でも思います。

 その上、塾から帰ってきた後に『憂鬱』を読み始めて、その日のうちに1冊読破してしまいました。

 これが後の人生にも大きな影響を及ぼす出会いだったのです。

 印象的なキャラクターたち。日常の延長線上にあるSFチックなストーリー。小説ってここまで面白くて良いのかと、言い表せないほど強烈な感動に襲われました。

 涼宮ハルヒだけではないにしても、ここまで面白くて楽しい物語に出会っていなければ、小説を書いている今の僕は居なかったと思います。多分もっとつまらない奴になっていたんじゃないかと、そう思えるくらいに大きな影響を受けました。

 その後は坂を転がるどころか奈落の底へ向かってジェット噴射したくらいに、涼宮ハルヒにハマっていきました。小説を何度も読み耽り、アニメのDVDを全て揃え、気づいた時にはもうオタクになっていたのです。

 そして、小説を読んでいて文章の端々から、作者の谷川流さんがかなりの読書家だということを感じました。

 作中に登場する読書好き宇宙人・長門有希が読んでいる本という体で、昔、「長門有希の100冊」という企画がありました。

 

↓リストのリンク

http://nagatoyuki.info/?%C4%B9%CC%E7%CD%AD%B4%F5%A4%CE100%BA%FD

 

 谷川流さんも長門と同じくSF・ミステリ好きということもあって、恐らく谷川さんの既読本の中から選ばれたものだと思われます。

 僕もその100冊(厳密には100冊はないけど)に挑戦しましたが、入手困難なものが多かったり、量がそもそも多かったりで半分くらい読んだところで挫折してしまいました。

 しかし、この時の体験から幅広い読書の面白さを知り、以降はジャンルを問わず様々な本を読むようになりました。今では立派な濫読家です。

 

 ……こうして振り返ってみると、涼宮ハルヒが僕に及ぼした影響はすごいですね。人生歪んだどころじゃないです。完全に出会った・出会わなかったで大きな分岐点になっています。

 しかし、僕は胸を張って言えます。

 涼宮ハルヒに出会うことが出来て良かった、と。

 

 

 

 さてさて、いかがだったでしょうか。

 50回目のブログということで、僕の人生への影響度から『銀魂』とどちらが良いか迷ったのですが、新刊が出ると聞いてバンザイと共に、涼宮ハルヒについて語らせていただきました。

 もうハルヒキョンたちの年齢を追い越してしまって久しいですが、未だに小説をたまに読み返しています。物語の面白さもあり、自分の青春時代を思い出せることもあり、大人になっても僕はずっと涼宮ハルヒが大好きです。

 前作の『驚愕』から9年半の月日が流れましたが、2020年11月25日に、僕たちの涼宮ハルヒが帰ってきます!

 我らが団長の帰還を感謝と期待をもってお迎えしましょう!

 

 ではでは、今回はこの辺で!