こんにちは、モンブランです。
前回のブログからひと月近く経っていて軽く戦慄しております。本当すみません、ご無沙汰です。
ここ最近忙しかったせいでブログにまで中々手が回りませんでしたーーシャドウバースをやってばかりいたせいもあるけれど。
という訳で今回は、もう7回目になるのかと驚きつつ、最近読んだ本の話をしていきたいと思います。
1.ホリー・ゴールドバーグ・スローン/メグ・ウォリッツァー、訳・三辺律子『夜フクロウとドッグフィッシュ』小学館
かなり最近出たばかりの本ですね(しかもヤングアダルト)。
この作品は全編メールでのやり取り(一部手紙)で構成されている、いわゆる書簡体小説です。
物語はLAに住む見知らぬ少女から「そっちのお父さんとうちのお父さんが付き合ってる!」というメールがNYの少女に届くところから始まります。彼女たちのお父さんたちはゲイだったのです。しかも、お父さんたちは娘たちをサマーキャンプに送り込んで仲良くさせ、その間に自分たちは中国旅行へ出かけようと企てていました。
その企みを阻止するために、LAの少女ベットとNYの少女エイヴリーのやり取りが始まります。考えるより行動タイプのベットと心配性すぎるエイヴリー。正反対の性格の2人は次第に友情を築いていき、父親2人の結婚を認められるようになったのですが、今度は父親2人が旅行をきっかけに別れることになってしまい……。
というハチャメチャな展開が繰り広げられ、最後まで結末が読めない軽快なドラマです。
最初にあらすじだけ見てみて、非常に現代的な小説化だと思いました。LGBTに対する理解が進んできた今だからこそ書ける物語でしょう。僕自身、以前に勉強する機会があって、そのおかげで特に抵抗なく物語を楽しめました。
どころか、僕個人としては父親たちのラブコメよりも2人の友情が無事に続くかどうかの方が気になってハラハラしてしまいました。
ベットとエイヴリーが互いに良い影響を与え合い成長していく姿がとても微笑ましかったです。
この作品は元スタジオジブリのアニメプロデューサーが書いたファンタジー小説です。
上手く友達を作れない少女ピピは、修理工房を営む祖父にフリッツというオモチャのロボットをもらいます。
しかし、ある日祖父が亡くなってしまい、ピピは何故かその前後のことを思い出すことができません。ピピが再び祖父の工房を訪れると、そこには謎の小男ズッキが居り、ピピは彼に導かれもう一つの世界とそこにある思い出の修理工場にやって来ます。
そこに居る白ヒゲの親方ジサマ、朝は少女、昼は大人、夜は老女になるレディ・ミス・ミセス・マダム……他にも個性豊かな人たちが沢山。ピピは、初めてできた仲間たちとともに自身の思い出と向き合いながら、人間たちから思い出を奪い、工場を閉鎖に追い込もうとする「黒いエージェント」に立ちむかいます。
ジブリを思わせるようなファンタジーで、文章も優しく情景が頭に浮かびやすくなっています。冒頭で優しい祖父が死んでしまうのが悲しかったですが、過去の痛みや思い出を忘れることなく大切にするべきという作品のテーマとしては必要なことなのかもしれません。
また、工場の親方のジサマというキャラクターを見ていると、宮崎駿監督のことを思い出さずにはいられません。「めんどくさい」と言いつつも工場の誰よりも働き者で、「めんどくさいことが大事」だという白髪の職人ですからね。
3.木原浩勝『増補改訂版 もう一つの「バルス」ー宮崎駿と『天空の城ラピュタ』の時代ー』講談社文庫
ジブリ繋がりでもう一冊。
制作進行として宮崎駿監督を間近で見てきた作者が名作『天空の城ラピュタ』の制作秘話を語っています。
木原さん自身がアニメの仕事に関わり宮崎さんと出会うまでのエピソードも語られているのですが、アニメ業界のブラックでは済まされない暗黒企業ぶりが垣間見えます。
天才について行く苦労が窺えますが、同時に宮崎さんと仕事を共にし映画を完成させた木原さん自身も只者ではないと感じました。
また作品の裏側についても語られていて、大学の卒業論文をジブリで書いたほどジブリ作品が好きな僕にとってはたまらない1冊でした。
木原さんはその後もトトロで再び制作進行を務め、当時のエピソードを語る『ふたりのトトロ』という本も書いておられるため、そちらも読んでみたいです。
さてさて、いかがだったでしょうか。
お前忙しいくせに本は読んでいるのかと言われても、喉が渇いたら水を飲むくらいの必然性で、僕は本を読む必要があるのです。
本を読まないと魂が渇いてしまうからです。
まあ、活字中毒なだけなんですけどね。
とにかく、ブログのネタに困ることがあっても、こうして最近読んだ本の話をできるのはありがたいことです。
それ以外の話も書かねばと思いながらも、次のブログはどうなるかまだわかりません。
予定は未定!
ではでは、今回はこの辺で!