こんにちは、モンブランです。
もう先月末の話になってしまうのですが、約8年連載してきた拙作『兄妹シリーズ』が本編完結しました!
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僕自身ここまで長い間同じ人物たちを書いたことはなくて、故にもう彼らを書かないのだと思うと不思議に感じます。
親世代に至っては更に長く、10年以上の付き合いになるので、軽くロス状態です。
そんな訳でこれを機会に、長期連載してきた拙作を総括した後書き的なものを今回は書こうかなーと思います。内容にも結構触れるので、ネタバレを避けたい方(多分居ない)、或いは興味/Zeroの方(こっちは多数)はブラウザバックを推奨します。
私的なブログなので私的に利用させてもらうぜ。
1.終わらない物語になってしまった訳
元々この作品は大学時代のサークルの展示用短編として書かれたもので、連載なんて欠片も考えていませんでした。確か“雨”がテーマだったでしょうか、それに従ってブラコンシスコンとは無縁で自然に仲の良い兄妹に雑談させたのが「優しい雨」でした。
そこで書いたキャラが、裏設定として高校時代に書いていたキャラの子ども世代ということもあったのかもしれませんが、結構気に入ってしまったんですよね。視点を変えた続きの短編「晴れた輝いて」、そして父の日当日についに高校時代のキャラを明確に登場させてしまった「父の日」を書いたことで、気づけば短編が作品群になり始めてしまっていたのです。
そもそも僕から『兄妹シリーズ』と自称し始めたのではなく、サークルの誰かが言い始めてそれが定着してしまったものです。小説家になろうに載せる際に、もっとちゃんとしたタイトルに変えようとしたこともあったのですが、結局思いつかずにそのまま『兄妹シリーズ』になりました。
これら長文タイトルが跋扈するサイトでのアピールとしては大失敗してますね。所謂ブクマやらユニークアクセスやらは全然伸びませんでした。
それはさて置き、どうしてプロットが長期化したかという本題に戻しましょう。
僕の話の作り方の一つとして“課題解決型”というものがあります。端的に言えば、あるキャラの性格や行動の中に課題を見つけて、それを解決する為に会話や出来事を発生させて物語を展開していく手法です。
これを逆手に取れば、課題解決の為ならばどんな時間にも放り込めてしまうので、実際に『兄妹シリーズ』のキャラクターたちは時間旅行したり修学旅行先で怪異に出遭ったりVR世界でドラクエごっこやったりしていました。趣味と実益を兼ねています。
こんなことをしているから話が肥大化していったというのも多分にありますが、それと同じ位に手のかかる子たちのせいでもあります。誰だと思いますか?
晴輝くんと香純ちゃんです。
優雨は2ndシーズンでサクッと、咲良ちゃんは自分で勝手に成長してくれた優等生ですが、上2人は本当に手がかかりました。
3rdシーズンは香純ちゃんの今の家族との和解だけに費やされ、主人公も彼女の義弟・夕霧くんが無事に務め上げてくれました。彼が居なければ、香純ちゃんは本当の意味でのヒロインにはなり得なかったでしょう。
晴輝くんは5thシーズンの終盤までかかりました。彼の場合は「正義の味方であり続けるのは、個人として生きる上で本当に必要なのか?」というのが課題でした。
著名な作品の例。『Fate stay night』の主人公・衛宮士郎も正義の味方でありたいという人物ですが、その欺瞞を作中で袋叩きにされています。他人を救う為の自己犠牲は美しいかもしれないが正しいとは言い切れない。ルートによって辿る彼の結末は違っていて、特にHeaven's Feelでは、大切な1人を守り抜く為に他の犠牲を受け入れる桜ルートや、大勢を救う為に大切な1人を犠牲にする鉄心ルートなどが回答としては顕著ですね。特殊な状況下とは言え、スタンスがとてもわかりやすいと思います。
が、『兄妹シリーズ』では、より日常の中の等身大な回答を追い求めました。それが5thシーズン終盤のあるシーンに繋がります。具体的な言及はここでは避けますが、またもFateで喩えるならばUBWにおける遠坂凛が果たす役割に近いかんじです。そこを経て、ようやく彼は司会進行から主人公になってくれました。
そうして、大切な日常を守る為に最終決戦に挑み、勝利することで物語としての終焉をようやく迎えることができたのでしたーー誤解のないように言っておきますが、この作品は言葉と言葉のぶつかり合いがメインなので最終決戦と言えど武力には頼りません。
その姿勢を一貫したまま1〜5のシーズンと、3パートに分かれたFinalシーズンを書き切れたのは、自ら誇りに思えるところです。
…………そこで本当に終われたならば。
2.最終回の向こう側
冒頭の部分をちゃんと読んでいただけましたか?
「本編完結」であって、「完結」とは言っていません。
(悲報)兄妹シリーズ、完結せず!
と言いますのも、すぐに続きを書きたがる僕の悪い癖が出ています。約8年書き続けても懲りませんでした。
現在、Nextシーズン連載中です。ただし、本編はちゃんと完結しているので、詳細は避けますが次世代の話になっています。
Nextシーズンのテーマはズバリ「アンチ兄妹シリーズ」で、これまでの要素をある程度踏襲しつつ逆を行く物語を展開していく予定です。
まず主人公からして問題児です。長い会話が嫌いで、面倒になったら無視する・適当な相槌・途中で退席の三連コンボ。会話劇で絶対に居ては不味いキャラですね。
加えて、小説での音楽にも挑戦しています。
以前にも音楽を活字に落とし込む作品を書こうとしたことがあったのですが、約4万字ほど書いておきながら挫折しました。現状では日の目を見る予定はありません。
音楽の知識と経験に欠けているせいで、実感の伴った表現ができないのです。書くからには半端なものを世に出せませんからね。
その反面、やっぱり書きたいとずっと燻っていたのです。長いこと頭の中でこねくり回していたところ、一つの天啓を得ました。
僕にとって慣れ親しんだあるアプローチからならば、キャラも読者も音楽の世界に引き込めるのではないか、と。
そのキーとなるキャラを最新話に登場させました。僕の日頃の趣味嗜好をご存知の方は、ついに自作内でもやり出したかと呆れることでしょう。ツッコミお待ちしております。
まあ、ツッコミ云々はどうでも良くて、“彼女”の新しい物語を、紙幅を費やし過ぎずにキチッと提供したい所存です。一応20話で終わるつもりではいますが、万が一延びたとしてと30話までには収めたいですね。
ゴールテープを切った後の余韻をもう少しだけ楽しみたいと思います。
さてさて、いかがだったでしょうか。
……いかがも何もないな。今回はここ最近の中でも特に書きたいだけのことを書いた感じがします。ある意味、ブログらしくはあるのかもしれません。
100%趣味で書いた小説です。
そう胸を張って言える小説で、誰かを楽しませることができていたなら嬉しいですね。
https://ncode.syosetu.com/n3270dl/
200話超えの小説を気軽に読んでと言うのは憚られますけどね。
別に読んで欲しいなんて言ってないんだからねっ!
感想なんて欲しくなんてないんだからねっ!
勘違いしないでよねっ!
キャラと文脈を迷子にさせつつ、今回はこの辺で!