モンブランは静かに暮らしたい。

静かに暮らしたいのに、好きなことの話をすると静かでなくなってしまうブログです。

音楽と走る(1)

 こんにちは、モンブランです。

 最近めちゃ寒いですね。残暑が残暑がとか言っていた後にこれなので、日本にはもう四季はなくて、夏と冬しかないんじゃないでしょうか。

 春と秋はもっと働いてください。

 花粉はずっとおやすみなさい(花粉症)。

 

 

 さて、今回は音楽の話をしましょう。最近本の話ばかりだったのでね、いや本当に日頃本読んでばかりなんだけど、それだけじゃないのでね。

 僕は車通勤なので、行き帰りにカーステレオで音楽を聴いています。過酷な社畜ライフの中の貴重な癒しのひと時。最近よく聴くアルバムたちを紹介していきましょう。

 

 

 

 

 

1.ワルキューレ『Walkure Reborn!』

 

 

 ワルキューレの久しぶりのアルバムッ! 聴かずにはいられないッ!

 ということで、ウッキウキで聴いたのですが、そのパワーが凄かった。

 元々歌唱力のすんごいユニットだったのが、更に上手くなっていてビビりました。まだ伸びしろがあったのか、と。

 カナメ(cv.安野希世乃)さんのウィスパーボイスに震えながら「キキワケナイ!」を聴き倒し、JUNNAちゃんの抑揚や緩急の付け方の成長ぶりが全体的に楽曲のレベルの底上げをしていて、とどめとなったのは「愛してる」でした。

 「愛してる」と、みのりんごのしっとりとしたうっとりとさせられるような声で連呼されます。「僕らの戦場」のフレイアソロのイントロのアカペラの時も、この人本当に上手いなと思いました。でも、「愛してる」はそれを更に超えてきた。ハートが鷲掴みにされます。こんなに「愛してる」って言われて良いんですか? もっとお金払わなくて大丈夫? という気分になります(あくまで個人の感想です)。曲全体もドラマチックな雰囲気で、このアルバムで一番好きな曲かもしれません。

 ……いい加減アニメ本篇も観なきゃだよね。

 

 

2.『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER GOLD RUSH! 11 Home Sweet Home』

 

 

 最近STARLIGHT MASTERシリーズを追いかけるのを若干サボりがちでした。リリースされるペースの割にハマれる曲があまりなくて……と思っていた折に、久しぶりに面白いなと思えたのが、この「Home Sweet Home」です。

 ジャケットのイラストとセンターの小梅ちゃんからお察しいただけるように、ホラー調の曲です。

 また、GOLD RUSH! から収録されるようになったソロバージョンですが、各メンバーごとに歌詞が変わっているのです。この曲をテーマにした物語(デレステイベントをやっているとよくわかる)での立場に合わせているのが面白い試みだと思いました。

 僕は特にまゆの魔女っぷりが堂に入っていて好きでした。まゆすき。

 

 

3.槇原敬之『宜侯』

 

宜候

宜候

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 槇原敬之さん(愛称マッキー)の最新アルバムです。

 2度目の逮捕からの復帰作で、アルバム全体の雰囲気としては原点回帰しつつ、新たな船出に「宜候(ようそろ)」する意気込みが伝わってきました。

 特に「悲しみは悲しみのままで」が好きで、励ますでもなく浸るでもなく、そっと寄り添ってくれる感じがマッキーらしさが出ていると思いました。

 やってしまったことはしょうがないので、きちんと罪を償って、また素晴らしい楽曲を作ってくれることを一ファンとして願うばかりです。

 もうクスリやるなよ? 持つなよ? 頼むぞ?

 

 

(おまけ)槇原敬之『“SMILING” 〜THE BEST OF NORIYUKI MAKIHARA〜』

 

 

『宜候』を聴いた後に、初期のアルバムを聴き返したくなりました。こちらはマッキー初のベストアルバムです。

 このアルバムはかなり完成度が高くて、槇原敬之の曲を聴いてみたいという人には真っ先にこれを薦めています。そのくらいに、マッキーの持ち味が十二分に発揮されているんです。

 マッキーの歌詞の特徴として、あまり抽象的な文章が使われず、さりげない日常描写やわかりやすい言葉が使われています。そのせいか、曲を聴いていて短編小説を読んだような気分になるのです。

「もう恋なんてしない」や「彼女の恋人」のようなキレッキレの失恋ソング、「冬がはじまるよ」のような今にピッタリな季節の曲、「遠く遠く」は上京する人、した人の心情を歌う曲。などなど、1枚のアルバムで様々な趣を堪能できます。

 ちなみに、「遠く遠く」はデレマスで小日向美穂(cv.津田美波)さんがカバーしています。確かに、東京と熊本は離れていますもんね。“どんなに高いタワーからも見えない故郷”ですもんね。『jewelies』に入っているので、そちらもオススメです。

 久しぶりにちゃんと聴いてみて、やっぱり良いなぁと思いました。

 

 

 

 

 さてさて、いかがだったでしょうか。

 他にも久石譲さんのアルバムや、知り合いの上白石萌音さんのガチオタクさんから猛プッシュされたカバーアルバムも聴いていますが、とりあえずはこの辺りを紹介してみました。

 元から音楽を聴くのが好きだったのが、社会人になってから更に拍車がかかったように思います。使えるお金も増えましたしね。

 ナンバリングされているタイトルからお察しの通り、これからも最近聴く音楽の話をちょびちょびしていけたらなーと思う所存です。

 

 ではでは、今回はこの辺で!

モンブランはライトノベルがお好き。

 こんにちは、モンブランです。

 2日前の27日から読書週間が始まりましたね。これを機に、ちょっとした空き時間で本を読んでみるのも良いんじゃないでしょうか。

 何でも良いんです。ガチガチの文芸書でも、ラノベでも。読みたい本を読みたいように読むのが精神衛生上よろしいんじゃないかと思います。そこに貴賤はありません。

 そこで未定だった予定が現実になって、今回は最近読んだライトノベルの話をしたいと思います。

 

 ヒアウィゴーでチェケラ!

 

 

 

1.入間人間安達としまむら(10)』電撃文庫

女子高生二人のちょっと変わった日常と、それからのお話。

私は明日、この家を出ていく。しまむらと一緒に暮らすために。私もしまむらも、大人になっていた。

「あーだち」
跳ね起きる。
「おぉでっ」
派手に後退した私を見て、しまむらが目を丸くした。両手をおどけるように上げる。下りて目にかかる髪を払いながら、左右を見回して、ああそうだと理解していく。マンションに移り住んだのだった。二人きりなのか、これからずっと。
「よ、よろしくお願いします」
「こっちもいっぱいお願いしちゃうので、覚悟しといてね」

私の世界はしまむらですべてが出来上がっていて、これからの未来になにも不安などないのだ。

 

 どうした、しまむら!!??

 と、困惑するくらいに、しまむらがちゃんと“彼女”をしていました。本編は8巻で完結しているということで、時系列が結構前後していますが、一貫しているのは安達としまむら2人の結びつきが強固なものになっていること。

 その証として、安達との付き合いと並行して何となく交流の再開した樽見との関係に終止符が打たれます。

 勿論、あからさまに別れる別れないという露骨な言葉は使われず、ただしまむらの方から「彼女がいるから」と告げただけ。

 しまむらからして見れば、安達が妬くからごめんねくらいの認識。しかし、何とか取り繕いながらも涙を流す樽見を見て、「あれ? 樽見ももしかして……」と、しまむらはようやく気が付きます。

 昔の親友から、再開した今の宙ぶらりんだった関係は二重の意味で“友だち”になれないまま、終わってしまいました。

 さて一方、安達は母娘関係が微妙に進展したのが微笑ましかったです。

 安達は昔から自分の感情を表に出すのが苦手で、母は母で何の反応もない娘の感情がわからない。いつしか母娘間で会話もなくなり、そのままの状態で社会人になる安達が家を出て行きました。

 2人共この状態に後ろめたさを持っていなかった為、別れの日はあっさりとしたものでした。それでも、安達は出て行く直前に、母は娘が出て行った直後に「これで良かったのかな?」と、僅かに首を傾げたくらい。

 冷めているというよりも、熱が生まれなかった母娘の後押しをしたのは、意外にもしまむらの母でした。

 ほぼ偶然知り合った母同士は、しまむら母の図々しさ(?)もあって、友人未満な関係ができていました。

「娘はもうこの家に帰ってくることはないだろう」と言う安達母に、しまむら母は「だったら会いに行けば良いじゃない」と言い切りました。

 あまりに正論過ぎて、返ってしまむら母にしか言えないセリフですね。安達母は「その発想はなかった」みたいなリアクションをしていましたが、意外とそんな将来もあるのかもしれません。

 そんな感じですっかりED後感のあるこのシリーズですが、後書きによると12巻まで書かれる予定らしいので、嬉々として続刊を待ち侘びたいと思います。

 

 

 

2.西尾維新『死物語(上)(下)』講談社BOX

 

(上巻)しのぶスーサイド

“儂が見るうぬの有様は、いつでも死に様ばかりじゃ”

デストピアヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスターに会うため、
故国『アセロラ王国(仮)』を目指す忍野忍阿良々木暦
人間社会が異常事態に陥った中、
怪異にのみ感染するウイルスが吸血鬼を死に至らしめていて――?
これぞ現代の怪異 怪異 怪異!

青春は、きみの隣で生きてこそ。

 

(下巻)なでこアラウンド

“おやすみなさい。いい夜と、いい夢を”

専門家の見習いとして、
斧乃木余接貝木泥舟と共に西表島へ向かう千石撫子
敵は蛇遣い・洗人迂路子――すべての元凶にして、臥煙伊豆湖の実の娘である。
撫子が挑む“死闘”の結末は――?
これぞ現代の怪異 怪異 怪異!

ありがとう。また遭う日までが、青春だ。

 

 まずは上巻から。

 作中世界がガッツリコロナ禍になっていて、それだけに不死身の吸血鬼を死に至らしめる感染症の異常性が引き立っているように感じました。

 そんな中、忍は自身を吸血鬼にした吸血主であるデストピアヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスター(長いから以下“デス”)の身に異変が起きたことを感じ、渡航規制のあるご時世にも関わらず、会いに行こうと試みます。

 勿論、忍とペアリングされている阿良々木暦も同行することになるのですが、今の彼らは飛行機に乗れないし自分で飛ぶこともできません。そんな2人を導いたのは、不死身の怪異の専門家である影縫さんと斧乃木ちゃんでした。

 影縫さんと言うと、偽物語で後にも先にもないほど阿良々木くんをボコボコにしていた暴力陰陽師のイメージが強いので、感染症というデリケートな問題に関わっているのは意外に感じました。

 案の定、デスも感染症によって死に瀕していました。この感染症の原因を探り解決を目指す阿良々木くんたちでしたが、一連の流れを読んでいてやはり阿良々木くんはすっかり受け身になってしまったな、と思いました。

 以前、どこかでも書いたように思いますが、近頃の物語シリーズは面白くなくなってきているように感じます。というのも、何をしでかすかわからない主人公が物語をグイグイと牽引してくれるのが面白かったのに、最近は不測の事態に巻き込まれてその解決に乗り出すタイプの話が多いからです。

憑物語』での自身の吸血鬼化もあり、時間を経て無茶をせず大人になり始めた阿良々木くんの在り方は勿論正しい。でも、僕がこの作品に望んでいるのは、無理のない範囲でスマートな解決をするのではなく、がむしゃらに駆けずり回って意外な解決策を持ち出すような展開でした。

 なので、改めて阿良々木暦の物語は『終物語』で終わってしまっていたんだなと思いました。

 

 お次は下巻の撫子の話。

 アニメの「恋愛サーキュレーション」で可愛らしさで人気を博した彼女も、蛇神化で一気に陥落。貝木の活躍もあって人間に戻り、誰にも言っていなかった本当の夢である漫画家を目指し始めた千石撫子の物語も今回で一区切り。

 漫画家として自立する為に、並行して怪異の専門家見習いをすることになった彼女は、斧乃木ちゃん、貝木と共に全ての元凶である蛇遣い・洗人迂路子の元へ向かいます。

 が、目的地である西表島行きの飛行機が落とされ、撫子は無人島に漂着、遭難することになります。ここのサバイバル生活描写はシリーズ屈指のつまらなさで、結構読み飛ばしていたのですが、斧乃木ちゃんとの再会後の洗人迂路子との対話では、撫子の成長を感じることができました。

 思えば、モンスターシーズンの前のオフシーズンでも一番面白かったのは、撫子の成長の出発点になった『撫物語』でした。前進しているのがわかりやすいので、読む方もグイグイ引き込まれるんでしょうね。

 ところで、貝木という詐欺師が中々ずるいキャラでした。『恋物語』で少女との相性の良さも判明し、嘘しかつけないクズなのに、言うことはカッコいいという憎めないキャラです。

 今回の話でも、飛行機が途中で落とされたせいで引率役としては中途半端だったものの、冒頭や終盤でのやり取りはとても面白かったです。

 この「なでこアラウンド」を読めただけでも、シリーズをここまで追ってきた価値はあったのかなと思います。

 ちなみに、物語シリーズ恒例の次回予告は今回はありませんでした。シリーズを追ってきた我々読者一同にとっては結構な衝撃でしたが、その反面、これ以上書くこともないんじゃないかとも思いました。

 既に『結物語』で社会人になった阿良々木くんも書かれているし、『死物語(上)』で阿良々木くんは大学を卒業しました。並行して書かれていた撫子の物語も『死物語(下)』で一区切り。『結物語』で“ツバサ・ハネカワ”になってしまった羽川翼の経緯も気になりはしますが、そちらはあまり知りたくない気もします。

 ということで、書くことないなら書かれなくて良いんじゃね? というのが僕の個人的な意見です。

 ついでに申し添えておけば、単行本以外の各所で書かれた短々編を1冊に纏めてくれたら嬉しいかなーと思ったり。

 てな訳で、西尾さん、物語シリーズの執筆お疲れ様でした。

 

 

 

 

3.三河ゴースト『義妹生活(1)〜(3)』MF文庫J

 

 

(1巻あらすじ)

高校生の浅村悠太は、親の再婚をきっかけに、学年で一番の美少女・綾瀬沙季と一つ屋根の下で兄妹として暮らすことになった。
互いに両親の不仲を見てきたため男女関係に慎重な価値観を持つ二人は、歩み寄りすぎず、対立もせず、適度な距離感を保とうと約束する。
家族の愛情に飢え孤独に努力を重ねてきたがゆえに他人に甘える術を知らない沙季と、彼女の兄としての関わり方に戸惑う悠太。
どこか似た者同士だった二人は、次第に互いとの生活に居心地の良さを感じていき……。
これはいつか恋に至るかもしれない物語。
赤の他人だった男女の関係が、少しずつ、近づいていき、ゆっくりと、変わっていく日々を綴った、恋愛生活小説。

 

 ラノベの新規開拓をしたくて手を出したシリーズです。

 最近流行りのなろう系に辟易していた僕にとっては馴染みやすい作品でした。

 話の展開としては上記のあらすじの通りなのですが、結構展開運びはスローペースです。展開運びの速さを放棄した代わりに、人物描写と2人の距離の近付き様を丁寧に描いているのが感じられます。

 義理の兄妹になるにあたっての2人の感想がとてもリアルです。いきなり同世代の異性と一緒に暮らすのは緊張するし、抵抗もある。でも、それぞれの親の幸せの為、一定の距離は空けつつ歩み寄ろうとしています。ギャルゲーのような浮かれようとは正反対ですが、実際にこういう状況になったらそう考えるだろうなと納得させられます。

 最初の頃はそんな感じでしたが、一緒に暮らし、互いのことを知るうちに相性の良さに気付き、徐々に異性として惹かれていくことに2人とも気付いてしまいます。

 3巻の頃にはその想いは明確になり、自覚もしてしまいますが、もしもこの想いを表に出せば親たちが望む家族としての幸せを壊しかねません。

 そこで、沙季は1巻の時には拒んでいた「お兄ちゃん」呼びをすることで、線引きをしました。

 親の再婚で自動的に成立した『義妹生活』から、自らの想いを封じ込めるために妹になることを選び取った『義妹生活』へと。

 ここに来てタイトルの意味が変わったことに感心させられた反面、切ない気持ちになりました。

 今年の冬に最新刊が出るらしいので、そこでこのモヤモヤが晴れるような決着を期待したいです。

 

 

 

 さてさて、如何だったでしょうか。

 本当はもっと読んでいたんですよ。『俺ガイル結』とか『楽園ノイズ』の最新刊とか『俺妹加奈子if』とか。

 しかし、既に書いた分で紙幅は結構いっぱいになりましたし、実は現在進行形でコロナワクチン2回目の副反応で熱があるので、書くエネルギーが切れてきたのもあります。

 なので、またいずれどこかの何かしらで書けたら良いなあと思います。

 ではでは、今回はこの辺でっ!

モンブランはミステリがお好き。

 こんにちは、モンブランです。

 当ブログが今回でなんと第60回を迎えました!

 還暦です!元々気まぐれで始めたので飽きたら辞めようと思っていたのですが、まさかここまで続くとは……。

 これからもぼちぼち好きなことを好きなように書き続けますので、今後ともよろしくお願いします。

 

 

 さて、その好きなものについて。前々から読書感想ブログでお気づきかと思いますが、ミステリ小説が大好きなんです。

 過去のブログを読み返してみても、明らかにミステリジャンルに寄っていました。もっと色んなジャンルを読んでいたつもりだったんですけどね……。

 ここ最近も色々な本を読みましたが、ミステリだけでブログ1本分書けそうだったので、続々と、オラオラと語りましょう。はい、どーん。

 

 

1.東野圭吾『透明な螺旋』文藝春秋

シリーズ第十弾。最新長編。
今、明かされる「ガリレオの真実」。

房総沖で男性の銃殺遺体が見つかった。
失踪した恋人の行方をたどると、関係者として天才物理学者の名が浮上した。
警視庁の刑事・草薙は、横須賀の両親のもとで過ごす湯川学を訪ねる。

愛する人を守ることは罪なのか」
ガリレオシリーズ最大の秘密が明かされる。

 

 ドラマ・映画化もされた東野圭吾さんの人気シリーズの最新作です。今度映画化が決まった前作『沈黙のパレード』の文庫も少し前に発売されて、そちらも読んだのですが、今回はこちらの感想を。

 あらすじでは「ガリレオの秘密、真実」が強調されているものの、正直なところ、そちらはあまり気にしていなかったんですよね。

 というのも、シリーズを通して僕が関心を持っていたのは、“解き明かした真実の扱い方”だったからです。

 シリーズ3作目で直木賞受賞作でもある『容疑者Xの献身』で湯川は、殺人を犯してしまった愛する女性を守る為に自らも大きな罪を犯した友人の罪を暴き、その真実を女性に伝えてしまったことで、友人の“献身”を台無しにしてしまいました。

 この一件から湯川は捜査への協力に消極的になりました。それでも、友人の刑事・草薙や内海薫に宥めすかされ手を貸すことになるものの、湯川の中ではずっとしこりになっていました。

 今回の事件では、やや特殊な関わり方をしていて、草薙に手を貸す探偵役でありながら事件の容疑者と思われる人物の関係者でもあり、草薙たちにも何かを隠している様子。

 湯川は事件の真相に辿り着きますが、その真実をどうするのか。

 正しさを求めて救いのない真実を白日の下に晒すのか、決死の想いと愛情によって築かれた優しい嘘を守るのか。

 今作はミステリとしては物足りなさを感じたものの、シリーズを通した湯川の苦悩に対する一つの回答が示されていました。

 次作も楽しみにしています。

 

 

2.綾辻行人『緋色の囁き〈新装改訂版〉』講談社文庫

名門・聖真女学園高校の「開かずの間」で、少女が死んだ。「魔女」という謎の言葉を残して―。美しくも残酷な連続殺人劇の、それが幕開けとなる。転入生・冴子の心にひそむ“赤い記憶”の秘密。夜ごとに少女たちを襲う殺人者の正体は?鮮血と狂気に彩られた「囁き」シリーズ第一弾、待望の新装改訂版。

 

十角館の殺人』から始まる館シリーズや『Another』で有名な綾辻行人さんのもう一つの人気シリーズ、「囁き」シリーズの1作目が新装改訂版が最近になって発売されました。

 旧版を高校生くらいの時に読んだのですが、久しぶりに読んでみたくなって買ってみました。

 綾辻さんの作家としての強みの一つが、ミステリの舞台づくりだと、僕は思っています。

 今回の舞台は外界から隔離された名門女子校。表向きは華やかな女生徒たちも裏では誰にも言えない心の闇を抱えておりーーという、非常に美味しいシチュエーションとなっております。

 綾辻さんの作品自体読むのが久しぶりだったのですが、相変わらず読みやすい文章でありながら、作品世界の雰囲気に呑まれるような楽しい読書でした。

 ちなみに、ミステリというよりもサスペンスホラーの色が強く、謎解きをしようと読むとアンフェアに感じてしまうかもしれません。

 ツンデレせずに素直に読むのが一番楽しめるんじゃないかと思います。

 

 

3.ジョン・ディクスン・カー『三つの棺(新訳版)』ハヤカワ・ミステリ文庫

【オールタイム不可能犯罪ミステリ・ランキング第1位! 】 ロンドンの町に静かに雪が降り積もる夜、グリモー教授のもとを、コートと帽子で身を包み、仮面をつけた長身の謎の男が訪れる。やがて二人が入った書斎から、銃声が響く。居合わせたフェル博士たちがドアを破ると、絨毯の上には胸を撃たれて瀕死の教授が倒れていた! しかも密室状態の部屋から謎の男の姿は完全に消え失せていたのだ! 名高い〈密室講義〉を含み、数ある密室ミステリの中でも最高峰と評される不朽の名作が最新訳で登場!

 

 ようやく手に入った!

 ハヤカワ文庫は文庫でもちょっとお高めなので、状態の良い中古で探していたのですが、中々見つからなかったんです。探し始めてかれこれ6年くらいになるでしょうか。もう諦めて新品で買ってしまおうかと心が折れかけていたところで、ようやく見つけることができました。

 で、肝心の本編についてなのですが、ミステリ小説の中でも有名な古典作品の一つで、こと密室ものの中では真っ先に挙がるタイトルではないでしょうか。

 と言うのも、あらすじでも触れられている“フェル博士の密室講義”は、密室トリックについて詳細に整理され、それでいて明快に示されていて、発表後約100年経った今でもここまでわかりやすいまとめを見たことがありません。

 密室講義と言うと堅苦しく聞こえるものの、蓋を開けてみれば結構おふざけに満ちています。

 初っ端からフェル博士は自分たちがミステリ小説の登場人物だと明言する、所謂メタフィクションネタが飛び出しています。

 しかも、この密室講義は本編の解決編直前に挿入されているものの、本編の内容とは殆ど関係ありません。ハドレイ警視も「面倒だから辞めようや」みたいなことを言っているくらいです。これもまたメタネタですね。

 講義での密室トリックの分類はとてもわかりやすいですが、事件のトリックはかなり複雑で初見では理解できずに、何度か遡って読み返す必要がありました。せめて棺が三つじゃなくて二つだったら……。

 

 

4.相沢沙呼『invert 城塚翡翠倒叙集』講談社

★★★★★
★第20回本格ミステリ大賞受賞
★このミステリーがすごい! 1位
本格ミステリ・ベスト10 1位
SRの会ミステリーベスト10 1位
★2019年ベストブック
さらに2020年本屋大賞ノミネート、第41回吉川英治文学新人賞候補
あまりの衝撃的結末に続編執筆不可能と言われた、5冠獲得ミステリ『medium 霊媒探偵城塚翡翠』待望の続編!

すべてが、反転。

あなたは探偵の推理を推理することができますか?

綿密な犯罪計画により実行された殺人事件。アリバイは鉄壁、計画は完璧、事件は事故として処理される……はずだった。
だが、犯人たちのもとに、死者の声を聴く美女、城塚翡翠が現れる。大丈夫。霊能力なんかで自分が捕まるはずなんてない。ところが……。
ITエンジニア、小学校教師、そして人を殺すことを厭わない犯罪界のナポレオン。すべてを見通す翡翠の目から、彼らは逃れることができるのか?

ミステリランキング五冠を獲得した『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、待望の続編は犯人たちの視点で描かれる、傑作倒叙ミステリ中編集!

invert
in・vert
【他】…を逆さにする,ひっくり返す,…を裏返しにする;
〈位置・順序・関係を〉反対にする;〈性質・効果などを〉逆転させる;
inverted detective story:
倒叙推理小説

 

 前作の『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は前述の通り、かなり話題を攫った作品だったのですが、僕は2作目の今回の方が好きでした。

 1作目は作品を通した大きな秘密の都合上、終盤に内容が詰め込まれ過ぎていて、読んでいて苦痛でした。読後感も良くありませんでしたし。

 ただ、今作は城塚翡翠という探偵役の持ち味が、倒叙ものに切り替えられたことで、読みやすく活かされていました。

 倒叙についても前述のあらすじで単語の説明はされていますが、要は犯人視点で物語が進み、完全犯罪を目論んだ犯人のアリバイやトリックが探偵によって崩されていく話のことです。テレビドラマでは旧くは『刑事コロンボ』、日本の有名どころだと『古畑任三郎』あたりがこのスタイルを取っています。

 1作目で城塚翡翠の本性を知っている読者は、今作を読んでいて「うわ、この女……」と、彼女の狡猾にして大胆な振る舞いをより一層楽しめることでしょう。

 1作目は1作目で良かったものの、僕は2作目でようやくこのシリーズが好きになりました。

 続編が雑誌掲載されているらしいので、新作の刊行を楽しみにしています。

 

 

5.知念美希人『硝子の塔の殺人』実業之日本社

雪深き森で、燦然と輝く、硝子の塔。
地上11階、地下1階、唯一無二の美しく巨大な尖塔だ。
ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、
刑事、霊能力者、小説家、料理人など、
一癖も二癖もあるゲストたちが招かれた。
この館で次々と惨劇が起こる。
館の主人が毒殺され、
ダイニングでは火事が起き血塗れの遺体が。
さらに、血文字で記された十三年前の事件……。
謎を追うのは名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬。
散りばめられた伏線、読者への挑戦状、
圧倒的リーダビリティ、そして、驚愕のラスト。
著者初の本格ミステリ長編、大本命!

 

 70年代頃まで日本のミステリは松本清張に代表された社会問題に切り込んだ“社会派”が主流となっており、無人島や吹雪の山荘などを舞台にした古典タイプのミステリは下火にありました。

 そこに再び古典を“本格”として、島田荘司綾辻行人を皮切りに現代に呼び戻した作品群が“新本格”と呼ばれ、古式ゆかしきスタイルのブームが再燃することになります。

 その後も伝奇要素と組み合わさった“新伝奇”という派生が登場したり、名探偵コナンなどの推理漫画がヒットしたりして、ミステリの古典が愛好家以外にも浸透していきました。

 しかし、不景気や甚大な自然災害を経て、再びミステリのフォーカスは社会に向けられるようになります。同時に、“新本格”を打ち出した面々の作品までもが旧いものと見做され、執筆ペースが落ち込んでいったこともあり、再び廃れようとしています。

 

 …………何故急に日本の近代ミステリの歴史を振り返り始めたのかと言いますと、『天久鷹央シリーズ』や『ムゲンのI』などの医療ミステリで有名な著者がど直球の本格ミステリを書いてきたからです。

 舞台はあらすじからもわかる通り、外界から隔離された館もの。華々しいプロフィールを持つ人物たちが次々と殺され、ダイイングメッセージと過去の事件との関係。何度も読んできた王道展開に、ミステリファンたちはきっと真相を追いながらも懐かしさを覚えることでしょう。

 しかも、探偵役の碧月夜が熱心なミステリファンで、というよりもキツいミステリオタクなせいで、嫌でもミステリの歴史を振り返らざるを得ません。“後期クイーン問題”など、確か前にブログで書いたことがあったような気がしますが、普通の人からしたら「何だそれは?」となるでしょう。正直ミステリファン以外は置いてけぼりにされてしまいます。

 ただ、著者のプロットの妙が光る今作は、本格ミステリを良く知る人ほど足元を掬われます。僕も読んでいて小さな違和感はあったものの、事件の“本当の真相”には驚かされました。

 “新本格”の担い手の一人である島田荘司は今作の帯で、次のようなコメントを出しています。

当作の完成度は、一斉を風靡した
わが「新本格」時代のクライマックスであり、
フィナーレを感じさせる。今後このフィールドから、
これを超える作が現れることはないだろう。

 今作は絶賛していると同時に、“新本格”の終わりを明言しています。「個人の感想ですよね?」と言われたらそれまでですけれど、僕の個人の感想を添えさせてもらえるならば、あくまで一旦終わっただけだと思うのです。

 ブームは一度終わっても再燃することもしばしばで、流行り廃りは繰り返すものだと思うのです。バブル期の曲がとある高校のダンスクラブきっかけに再ヒットした、なんてこともありましたよね。現に、“新本格”も古典ミステリのブームが再燃したものであり、そのブームが更に再び訪れないとは誰も断言できません。

 その内また火付け役となる名作がひょっこりと現れるんじゃないでしょうか。

 ブームが全てとは言いません。それでも、どうしようもなく人を惹きつける魔力を持った作品が、これからも書かれる筈です。

 だから、この『硝子の塔の殺人』を読んで一定の満足感を覚えながらも、僕は更なる面白いミステリの登場を、いちファンとしてナイフとフォークを持ちながら待ち望みたいと思います。

 

 

 さてさて、いかがだったでしょうか。

 ミステリに絞っても結構本の話ができましたね。むしろ、ミステリ好きっぷりが浮き彫りになった感があるでしょうか。

 僕の読書経歴の大部分を占めていることは間違いありませんが、ミステリだけで僕の読書観ができていると思われるのは心外です。

 好みや偏りはあれど、世の中は色んなジャンルの面白い物語に満ち溢れています。

 

 という訳で(?)、次回「モンブランライトノベルがお好き。(仮)」でお会いしましょう!

 予定は未定だけどね!

ポケットはふくらんだまま……

 ーーいくつもの夏を越えて、記憶は次第に薄れていく。

 

 

 喜びも、悲しみも、心を満たした様々な感情が今は遠き日のものとなる。

 

 

 さながら、その時大事だったものをポケットの中にしまった筈なのに、いつの間にか失くしてしまっているように。

 

 

 でも。ポケットを奥までまさぐると、時折欠片が残っていることがある。

 

 

 欠片だけではもう何もできない。

 何にもなれない。

 

 

 そう思って手に取ると、途端に記憶が脳裏に蘇る。

 

 

 大切な人たちと過ごした、あの夏を。

 どこまでも広がる青空を照らした、あの太陽を。

 

 

 ああ……。

 どれだけ月日が流れても。どれだけ出会いと別れを繰り返しても。

 

 

 “あの夏”の眩しさだけは忘れなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 はいっ、ということで偶には冒頭に変化をつけてみました。

 こんにちは、モンブランです。

 

 新型コロナの感染が広がり、学校の再開が延びて夏休みが終わった感じがあまりしませんが、暦の上では例年もう夏休みが終わる時期になりました。

 

 夏の暑さは全く引いておらず、僕のサマポケ熱も未だ冷めやらぬ今日この頃です。もう月姫も届いたのにね。

 

 さて、今回は前回語り足りなかったサマポケの話の続きをしたいと思います。前回もネタバレ要素が微量ありましたが、今回はガッツリネタバレします。

 サマポケ未プレイでネタバレを避けたい方は、大急ぎでブラウザバックしてください。

 

 

 

 ……大丈夫? ここにはもうサマポケ既プレイの人や、ネタバレ気にしないor問題ない人しかもう残ってないね? 大丈夫だね?

 

 

 

 よし、それでは本題に入りましょう。

 今回は大きく2つのテーマに分けて語りたいと思います。1つは僕の推しヒロイン・久島鴎さんについて。もう1つはサマポケの真の主人公について、前回のように濁すことなくガッツリ語ります。

 

 

 

①僕が久島鴎にハマった訳

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 僕のTwitterを見ていた方ならわかると思いますが、一時期「鴎が鴎で鴎な鴎」とうるさかったでしょう。

 そのくらい、この久島鴎にどハマりしていました。推しまくっておりました。

 このゲームは全体を楽しもうとしていて、別に推しヒロインを作ろうとは思っていなかったのですが、全ては鴎が魅力的過ぎるのが悪い。

 スーツケースを常に持ち運び、お嬢様然としていながらも、ノリが良く冒険好きでアクティブな性格。

 ……理想のヒロインが脳内から具現化したのかと思ったくらいでした。声も可愛いし。

 

 

 

 島を散策していた主人公・鷹原羽依里と偶然出会った鴎は、彼を冒険に誘います。

 それがどんな冒険かと言うと、10年ほど前にボーイスカウトのようなもので集まった彼女の仲間たちが隠した4つの鍵を探し、隠された宝を手に入れよう! というもの。

 上記の部分をもっと詳しく説明すると、

 

ロリ鴎、父が残した宝(?)の地図をもとに仲間たちと共に宝探しを始める。

地図の差す場所に海賊船(⁉︎)を発見するも、何らかの出来事により探索することができず引き返す。

鴎以外の仲間たちが地図を箱にしまい、その鍵を島の各所に隠して暗号で示す。

10年後にまた集まって宝探しをしようね!

 

 ということになります。鴎は仲間たちと再会することは叶わなかったものの、羽依里を誘って宝探しに駆り出そうとしています。

 他のルートではまともに相手をしていなかったのですが、鴎ルートでは羽依里は宝探しに本格参戦しています。

 暗号を解いて、二人はかつて隠された鍵をゲット! ……その隠し場所がいかにも子供らしいのですが、よく10年近くもそのまま残っていたなと思わなくもありませんでしたが。

 その地図の差す海賊船の場所へ出発!

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 羽依里は宝探しの日々の途中で度々既視感を覚えるようになりました。

 この島に来たのは初めての筈なのに、こうして誰かと一緒に島を駆け回り、宝探しをしていたような、そんな感覚が。

 ……はいはい、そう言うパターンね。

 本当は昔、島に来たことがあって、鴎の昔の冒険仲間の一人だったんだろう、と。

 回想の中で、冒険仲間の一人に“タカ”という男の子が居たので、それが羽依里だなと決めつけていたんです。

 

 しかし、これはミスリード。もう少しややこしい真相がありました。

 

 島の中でも結構奥まった場所だったので、テントでお泊り(⁉︎)、二人きりで(!!??)、お泊りしつつ目的の場所へと向かいます(ナニモナカッタヨ)。

 ともかく、一晩明かした後に二人は洞窟探検海賊船に辿り着きました。……海賊船とは言われていたものの、実物は難破していた小さな船。宝物を沢山積んだ海賊船とは程遠い。

 しかし、その船には宝箱がありました。箱を開けると……。

 

 

 と、ここまで語っておいて何ですが、ネタバレ云々はさて置いても説明してしまうと面白くないんですよね。

 続きはゲーム本編で! もしくはWebで?

 

 

 鴎ルートの魅力は「冒険の思い出。忘れられないひと時」みたいなものです。

 それと、鴎ルートではそこまでガッツリ恋愛関係にまでは至りません。

 他のルートでは完全に恋人同士になるものもありますが、鴎とは友達以上恋人未満みたいな距離感です。少々物足りなさがなくもないですが、内容を考えるとちょうど良いかと思います。

 再プレイしてみたら、家にメイドしに来てくれたりと、十分イチャイチャしていましたし。

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 詳しい理由は後述しますが、はっきり言わせてもらいましょう。

 

 羽依里はしろはと幸せになれ。

 俺は久島鴎を貰う。

 

 

 

 

②うみちゃんに涙腺をぶっ壊された話

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 そろそろ良いよね?

 うみちゃんについて語っても良いよね?

 

 前回のブログでも申し上げたように、このゲームに散々泣かされてきました。泣かないドライモンブランとして有名だった僕が信じられないくらいに。他のルートもめちゃくちゃ良かったのですが、涙腺がぶっ壊れたんじゃなかろうかというくい泣いたのは、うみちゃんに纏わる話でした。

 この子が戦犯幼女です。なんと罪深い……。

 責任取って幸せになってくれ。

 

 

 

 さて、初期から謎な部分も多かった彼女ですが、その正体に気付くまでを書いていきますね。

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 うみちゃんと言えばチャーハン。朝から晩まで、ありとあらゆる食材でチャーハンを作るチャーハン大好きっ子でした。おかげで毎日チャーハン健康生活を送っていたのですが、ここで早速違和感があったのでした。

 うみちゃんは島の外出身だと言っていましたが、この島の住民たちもチャーハン大好き過激派な人々ばかりで、この一致は偶然なのか? ひょっとすると、うみちゃんは本当は島の関係者なんじゃないか?

 チャーハンが全ての疑問のスタートでした。

 

 次いで、まずサマポケを攻略する上で最初にしろはルートを進めていた時のことです。

 しろはルートでは、自分や自分の周りの人間の不幸な未来を見てしまう能力を持つしろはを支えることになります。しろはは夏祭りに行う島の儀式中に自身が海で溺れ死んでしまう未来を見てしまった為、羽依里はそれを回避するべく奮闘します。

 その一環として、羽依里もしろはと蝶番の儀で仮初の夫婦関係を築くことで祭りの儀式に参加しようと試みます。

 その蝶番の儀の直前に、羽依里は僅かな間、迷い橘という異空間に迷い込んでしまいます。そして、そこに何故かうみちゃんの姿が。その理由を訊ねてもはぐらかされて、結局ルートをクリアしても有耶無耶なままでした。

 印象に残っていたこの出来事なのですが、他のルートではありませんでした。どころか、他のルートでは殆どうみちゃんは本筋に関わってきません。

 何故しろはルートでだけあんなことが……?

 

 あとは、これは露骨な変化です。各ルートを攻略していくごとに当然最初からやり直していく訳なんですが、うみちゃんがどんどん幼児退行していきます。

 最初は歳の割にしっかり者だと思っていたのに、次第に上手に作れていたチャーハンも下手になっていき、立ち居振る舞いもどんどん幼女化していきます。それはそれで可愛いんですけど、やっていて結構不気味でした。

 

 この症状は、各ヒロイン攻略後に現れるALKAルートでは、ついに殆ど口も聞かない人見知り幼女になってしまいます。3〜4歳の子ってこんな感じだよね、みたいな。

 さらに、ALKAルートで初めてうみちゃんの名前の漢字が「羽未」であることが判明します。

 ……ん? “羽”?

 ここに至るまでに伏線や仄めかしがあったので、「もしかして……」とは思っていました。が、ここまで来れば予感は確信になります。

 

 正体はひとまず置いておいて、父親と上手くいっておらず母親を亡くしているらしいうみちゃんのために、「“おかーさん”と楽しい夏休みを過ごしたい」という願いを叶えるべく、羽依里はうみちゃんの“おかーさん”役を引き受けてくれる人を探し始めました。

 結果、白羽の矢が立ったのはしろはでした。先述の能力の為、人を遠ざけがち&人見知りな彼女は最初は難色を示したものの、母を求めるうみちゃんの姿に、幼少時に両親を亡くした自身を重ねたのでしょう。スイカバー1日1本で契約してくれました。

 ありがとう、スイカバーさん(出典:紬ルート)。

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 以上のような成り行きで、仮初ではありますが、しろはがうみちゃんの“おかーさん”になってくれました。思えば、言葉少ないこの時のうみちゃんも、しろはに対してだけは特別な反応を見せていました。人見知り同士で始まった親子関係も、次第に打ち解けていきます。

 

 このルートではうみちゃんは羽依里のことを度々“おとーさん”と呼ぶことがありました。

 

 しろはが“おかーさん”で、羽依里が“おとーさん”……。

 

 幼女化著しいうみちゃんが、今までは隠していたであろう秘密をポロッと喋りました。

 自分が羽依里としろはの間に生まれた娘で、しろはは自分を産んだ時に亡くなっており、しろはと同様の能力を使って「“おかーさん”と楽しい夏休みを過ごす」為に過去にやって来たことを。

 

 伏線は結構ありました。既に書いたこともそうですが、決定的なのは時代背景です。

 年月は明記されていないものの、現在の羽依里がMDプレイヤーを当たり前のように使っていることから、現在の時代は90〜00年代と推測できます。一方、うみちゃんはラジオ体操で貰える景品のことを「ろぐいんぼーなす」と言っていることから、2010〜年代以降の人間だと読み取れますね。

 

 しかし、このゲームは超自然的な能力をノーリスクで行使することを許してくれません。うみちゃんは何度も過去へ戻るうちに、自分の記憶や存在などが欠けてきており、幼女化もそれによるものでした。

 そして、うみちゃんはこのルートの夏休みのことを「さいごのなつやすみ」と言っていました。

 ……嫌な予感しかしねえ。

 うみちゃんが絵本として描いて欲しいと願った『蝶の話』はまるで彼女の顛末を喩えているようで。

 その上、しろはルート同様、海で溺れ死ぬ予知を回避することに成功するものの、その後からうみちゃんの幼児退行はついに赤ちゃん返りレベルまで進んでしまいます。さらに、一緒に時間を過ごした島の人間たち、羽依里やしろはの記憶からも次第にうみちゃんの存在が消えていくのです。

 ただ消えるのではなく、記憶ごと存在を忘れてしまう。

 忘れたことさえも忘れてしまう。

 最上級の恐怖に襲われつつ、先に進めていましたが……、

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 三人で見ていた花火。

 羽依里としろはの間に居たうみちゃんは居なくなり、居なくなったことさえもわからなくなった二人。

 大切な誰かが隣に居た筈なのに、それが誰かも思い出せない。理由もわからないまま、自然と涙が流れるのでした。

 ……今でこそ、僕も冷静にこれを書いていますけど、ゲームやってる時はガチの悲鳴を上げていました。

 ギャルゲーやってて「誰か助けて!」と叫んだのは初めてです。ガチの絶望です。

 

 

 ここから救われる方法はあるのか!!??

 続きはゲーム本編で!!!!

 

 

 ……言い訳をさせてください。

 うみちゃんの可愛さを語ろうとしたんです。

 うみちゃんの健気さを訴えようとしたんです。

 でも、ここまで書いてみて気づいたんです。「ゲーム本編やんないとわからなくね?」と。

 かと言って、ゲーム本編をやってる人たちには今更言うまでもないでしょう。

 

 

 加藤うみちゃんーー鷹原羽未は自らの全ての力を使って、自らの存在を失ってまでもしろはを助けようと、しろはが能力を得る前の過去へと旅立ちます。

 それが最終のPocketルートです。ここで全ての決着がつきます。

 ところで、後で知ったのですが、サマポケの無印版ではPocketルートの途中までで終わっているそうです。無理もありません、目的を果たした羽未を最後に導いたのは、RB版でしか登場しない“彼女”なのですから。

 そこまでやって、ようやく羽未もプレイヤーの僕も救われた気持ちになりました。

 

 

 ガチの絶望からの超ハッピーエンド。気持ちのアップダウンが激しかったものの、社畜にあるまじき心から充実した夏休みを過ごすことができました。

 ありがとう、Summer Pockets

 ポケットはふくらんだまま、夏の先へと歩き続けよう。

 

 

 具体的には、デレステ6周年まで。

 ではでは、今回はこの辺で!

 

 

 

 

 

 追記

 上記の内容を踏まえて、「羽のゆりかご」「アルカテイル」「ポケットをふくらませて」を聴いてみて欲しい。めっちゃ良いから。

「#今日のサマポケ」を振り返る。

 こんにちは、モンブランです。

 天気が崩れることも度々ありますが、暑い日が続きますね。僕はと言えば、今の仕事がアレでアレなせいで結構大変です。熱中症手前の頭痛まででどうにかこうにか踏み止まってます。生きて! 僕!

 

 さて、そんなことよりも、先月購入した『Summer Pockets』をついにクリアしました!!

 またAmazonのリンクを貼ってますけど、別に宣伝してる訳じゃないですよ。「神ゲーだからみんなもやって!」なんて一言も言っていません。

 むしろ、神ゲー過ぎてどハマりしてしまうから、安易に薦めることができないくらいです。

 

 ほぼ毎日プレイしつつ、Twitterに「#今日のサマポケ」を付けてプレイした感想を書いていました。別に僕専用のハッシュタグではないので、他にも使っている方は居ますが、ここ最近ではこういう呟き方をしているのは僕だけのようです。

 そこで、サマポケをクリアした今、「#今日のサマポケ」のツイートを振り返りながら補足を交えて、プレイした感想を書いていこうかなぁと思います。

 ゲームの根幹レベルのネタバレはなるべく避けますが、多少は大目に見てください。

 はい、ドーン!

 

 

 

 これは見たままですね。午前にうみちゃんルートをクリアして泣いて、午後に鴎ルートをクリアして泣いてます。

 当時はまだホロリレベルだったのですが、全クリした後でうみちゃんルートをやったら大変なことになりそうです。うみちゃんの言葉や行動の意味を完全に汲み取れるようになった今、涙腺崩壊は避けられません。

 そして、鴎ルート。プレイしてみて一番好みだったヒロインが久島鴎でした。物語と冒険が好きで、ノリが良い。

 ストーリーも良くて、主人公が抱く既視感に「おいおい、これは“昔会ってた”というよくあるフラグかな?」と思っていたら、想像の斜め上を行かれました。騙された! でも不快じゃない!

 そんな彼女にどハマりし、感情移入しまくった結果、ルートのエンディングでは完全にやられました。どのくらいやられたかと言うと、夏季限定とは言えTwitterのアイコンを乗っ取られるくらいには。

 鴎の話をしているとそれだけでブログが終わりそうなので、一旦打ち切って次に行きましょう。

 

 

 紬はね、すごく良い子でしたよ……。

 最初は「むぎゅ」というよくある電波な口癖持ちのキャラなのかなーと思っていましたが、やってみればすごく良い話でした。夏休みが終われば「かえってしまう」紬の為に、短い期間で1年の様々なイベントを体験させようというのは粋だと思いました。ちょっと青臭いけど、協力してくれる仲間たちの一生懸命さに胸を打たれました。

 今更ですが、良一とか天善とか男キャラも結構好感持てるんですよね、このゲーム。主人公が舞台となる鳥白島に早く馴染めたのは、彼らが良い友人になってくれたからかなあと思ったり。

 閑話休題。紬の正体を考えると、「むぎゅ」もそんなにおかしなことじゃないのかなと思いました。最後に主人公と手を繋いでいた紬が本当の姿に戻った時は、主人公の立ち絵とシンクロして涙が頬を伝いました。

 すごく良い話だと思う反面、このあたりで思うのです。この島おかしいな、と。

 

 

 紬の次にそのまま静久ルートをやろうかと思ったものの、紬ルートの中でも静久とは深い関わりがあったので、敢えてワンクッション置くべく野村美希(のみき)ルートから先に攻略しました。

 のみきはこれまでのルートだと良い友人だったので、ヒロインとして攻略するのにちょっと抵抗があったんです。裸の良一を水鉄砲で撃ち抜く姿が印象的な彼女も、少年団の活動を手伝うことで、ちょっと可愛い一面も見えてきて。打ち解けてきた頃合で。

 

 

 日付が変わるいつもの演出で突然こんなことになって、ビビって思わず声が出ました。

 これについては、島の不思議の一つである“蝶”とのみきの出自が関わってきます。エンディングではすっきり解決しましたが、友人キャラなのみきにも重い背景があって流石に可哀想になりました。のみきルートに進んだこのストーリーだから良かったものの、他のルートに進んだらのみきは……。

 さ、先に進もう……。

 

 

 静久、お前もか! お前も厄介な事情を抱えていたのか!

 紬ルートでは良い友人かつ相談役になってくれた静久も、実は自分にとって都合の悪い記憶が消えてしまうという秘密がありました。

 静久の記憶を残そうと、みんなで協力する姿は紬ルートでもあった友情を感じました。さらに、このルートでも「静久たちに良い夏の思い出を遺して欲しい」と積極的に行動する紬は、紬のルートをやった後だとその切実な理由がわかって、健気な姿にまたも胸を打たれます。

 静久ルートの終わり方は終盤にある分岐で分かれていて、トゥルーエンドの方は賛否両論な気もしますが、僕的にはこれまでのやり取りを踏まえて一番収まりの良いEDだったと思いました。

 

 

 これまでも目がウルウルしたり、ホロリとしたりすることはありました。でも、涙腺がぶっ壊れるレベルで涙も鼻水も流したのは識ルートが初めてでした。

 お腹を空かせて生き倒れていたこともあれば、

 

 

 島の子どもたちと無邪気に鬼ごっこを楽しむことも。

 記憶喪失の筈なのに島の歴史に詳しい。一緒にかつて島に出たという鬼の謎を追う彼女自身の方が謎が多いのです。

 勿論ストーリーを進める内に識の正体に近づくことができます。

 でも!

 バッドエンドとは言いたくないけれど、結末が切ねえ! 

 こんなのってねえよ!

 これまでにないほど感情移入して、主人公と一緒に叫び、泣いていました。

 ちなみに、この神山識というヒロインは完全版である『Summer Pockets REFLECTION BLUE』で追加されたらしいのですが、彼女のルートをやった身としては「いや、なんで最初から居なかったの⁉︎」と、本気で疑問に思うレベルでした。島の重要イベントにも関わっているくらいなのに。

 ともあれ、識ルートをクリアしたことで、全ヒロインのルートが終了しました。が、全然終わった感じはしませんでした。回収されてない謎や伏線もあるし、何より重要な“彼女”についてまだ触れられていません。

 

 

 と思っていたら、やっぱり未知のルート「ALKA」が開放されました。「ALKA」と聞くと、ゲームの主題歌でもある「アルカテイル」を想起させますね。

 とにかくやってみよう!

 そう意気込んだ僕でしたが!

 

 

 TLでリアルタイムでぶっ壊れる僕を見た方も居たでしょうか。

 感動。悲鳴。絶望。

 心温まる交流が続きつつ、不穏な予感が拭えなくて、花火のシーンでは暫く画面がまともに見られないレベルで泣き崩れてました。視界が少し回復したところでツイートしたことを覚えています。

 

 

 絶望に打ちひしがれつつ、しれっと開放されていたPocketルートに進みました。

 ここでの主人公は鷹原羽衣里ではなく、プロローグや合間で意味深なモノローグをしていた“ある少女”でした。プレイしている間は彼女の正体がまるでわからなかったのですが、ALKAルートをクリアしたことで、その正体がわかりました。

 と、同時にゲームの主題歌「アルカテイル」の詞が“彼女”のことを歌っていたのだと気付きました。KEY曲にありがちな、歌詞で思い切りネタバレしているのに初見では気付かないというアレです。

 これまでも聴いていて良い歌だと思っていましたが、今ではこの曲を聴いただけでも涙目になりそうです。

 “彼女”の長い冒険の末に悲劇は避けられました。

 “彼女”も願いを叶えることができて、満足して消えていきます。

 …………それを黙って見届けられると思いますか? 無理に決まっているでしょう?

 人間誰だって願いが一つで済む訳がないんです。願いが叶えば、また新しい願いを持つようになる。それは何も特別なことでもなく強欲でもない、ごく当たり前のことです。

 だから、新しい願いを持ちながらもそれを堪えて、別れを告げる“彼女”を涙なしでは見届けられません。“彼女”を見送る“彼女”も泣き崩れていましが、完全に画面の前の僕を鏡のように映していたのではないでしょうか。

 “彼女”の頑張りは最後にはきちんと報われて、このゲームをプレイした誰もが望んだ光景が、そこにはありました。

 艱難辛苦を乗り越えた末の特別な夏休み。その幸せを噛み締めながら、彼らは次の夏休みが更に楽しいものになると期待して、また一歩ずつ手を繋いで歩き続けるのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 大きなネタバレはなるべく避けつつ、サマポケを振り返ってみました。

 正直、僕は人から泣きを強要されるのは嫌いなんです。「泣ける!」とか「感涙必至」とか煽りや宣伝文句で言われても冷めたものですし、「全米が泣いた!」なんて最早失笑するレベルです。

 KEYのゲームも内容は好きですが、「泣きゲー」を前面に出されるのは辟易していました。

 個人の感動はその個人のもので、人からどうこう言われるようなものじゃありません。

 だから、僕は自分が泣いた事実は散々語りましたが、「泣ける」なんて口が裂けても言えません。

 この『Summer Pockets』は他人にも勧めたいくらいとても素晴らしいゲームでした。

 泣く泣かないは心底どうでも良いので、他人のプレイした感想も聞いてみたいですね。

 心に残るゲームに出逢えて本当に良かった。

 心を揺さぶる彼女たちに出逢えて本当に良かった。

 まだまだ夏は終わりません。「繰り返して」きた物語をゆっくりと「振り返り」ながら、この夏を過ごしていきたいと思います。

 

 ではでは、今回はこの辺で!

夏が来る。

 こんにちは、モンブランです。

 夏……来たね……。気候という意味では1年で最も忌むべき季節がやって来ました。というのも、僕は昔から高い湿度が大の苦手で、心身ともにデバフがかかっています。僕を物理的に倒したい方は夏に挑んでくれば良いんじゃないですかね、そんな心当たりはありませんけれど。

 

 そんなことはさておき、先月末に誕生日を迎えまして20代半ばから20代半ばになったところで、自分への誕生日プレゼントを買ったんです。

 

 

 元々Switchをもっと頻繁にやるようになったら移植版のサマポケをやりたいと思っていました。元々気になっていたゲームだったので、機会があればやりたいなーと考えていたところに、7月3日に完全版が出ると聞いて、気づけばポチっていました。買わない理由がない。

 ワクワクしながら、忙しい労働の傍でスローペースながらも進めていること現在進行形です。

 …………ここでちょいと注釈を入れさせていただきますが、別に今回のブログでサマポケのレビューを書くつもりはありません。普通に夏の話をしたかっただけで、自分の夏に外せない要素として「サマポケ買ったよ」という話をしただけで、別にサマポケの話をするつもりはありません。

 期待に応えられず申し訳ないのですが、そういうことなので!

 

 

 という訳で、改めて夏の話をしようと思います。

 夏と言えば、やはり涼しい食べ物が美味しいですよね。アイスクリームにかき氷、個人的には得意ではないのですがスイカも美味しい季節です。美味しいかつ身体の内から涼しくするのはとても合理的だと思います。

 その一方で、何でもかんでも冷たくすれば良いという訳ではないと主張させてください。冷やし中華が好きじゃないことはさて置いても、ラーメンは冷やしよりも熱々のものが好きです。味付けなどを冷たい方に寄せていても、元から温かいものはいつの季節であろうと温かい状態が一番です。

 ラーメン然り、チャーハン然り。

 チャーハンと言えば、

 

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 この子、加藤うみちゃんって言うんですけどね、サマポケで主人公が夏休みに過ごす家で一緒に居候する女の子なんですが、この子がめちゃくちゃ可愛いんですよ。

 歳の割にしっかり者で、それでも時々子供っぽいところを見せてくれるのが良い。また、彼女にはチャーハン狂の側面を持ち合わせており、毎食作ってくれるご飯が全部チャーハンなんです。毎日チャーハン健康生活です(⁉︎)。

 主人公が赴いた島は魅力的なヒロインたちが多く居るものの、うみちゃんと同居できる時点で既に幸せなんじゃないかと思います。攻略ヒロインじゃなくてもちゃんと固有ルートはあるんじゃないかなーと思っていたところ……、

 

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 ちゃんとありました!

 主人公がどのヒロインに向かうことなく不毛に過ごして、島から出て行こうとするところを引き留められる形でうみちゃんルートに入ったので、実質バッドエンド回避だったのが複雑ですが。

 モチベーションしかなかったのでサクッとうみちゃんルートをクリアしましたが、個人的な印象として、話が主人公の救済に充てられていて、うみちゃんの内面にあまり踏み込めていない感じがしました。実際にレコードを確認したところ、クリアにはなっているものの、半分以上開いていないことがわかりました。

 何かある。まだ何かあるぞ!

 ということで、他のヒロインを攻略しつつ、うみちゃんの秘密に迫っていきたい所存です!

 

 

 いけない、夏の話をするつもりがうっかりサマポケを熱く語ってしまった。

 話を戻しましょう。

 夏と言えば、冒険心をくすぐられる季節でもありますね。夏の入道雲を見ていると、「この中にラピュタあるんじゃね?」と割と真剣に思うくらいです。飛行石を首から下げた女の子が降ってくることもなく、それを追いかけてくるグラサンの人たちやドーラ一家も居ないんですけどね、残念ながら。

 今ではクソ暑い中、外で活動するなんてありえないんですけど、小学校の時なんかに友達と秘密基地とか作って遊んだりしませんでしたか? クッキー缶を宝箱だとか言って、友達と何かしら埋めた覚えがあります。行動の記憶のみ残っていて、今となってはどこに何を埋めたのかは忘却の彼方です。思い出しても特に良いことはなさそうなので、無闇に記憶の蓋を開けることはしません。

 それでも、僅かながらも当時の自分が埋めたものが何だったのかはやっぱり少しだけ気になるんですけどね。

 そこで、ふと思い出したのです。たまたま、本当にたまたま僕と同じように昔隠した宝物を探している女の子のことを。

 

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 久島鴎さんっていうんですけどね、スーツケースを常に持ち歩くお嬢様風な女の子で、主人公を冒険の旅に誘うのです。ただ、冒険とは言っても田舎の島なので規模は小さいのですが、逆にそこが地に足ついていて共感できます。

 と思っていたら、気付けば本物のお宝に行き着く冒険になって、そういうご都合展開も楽しいのでOKです。

 

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 こうして並んで線路を歩く構図は、スティーブン・キングの『スタンドバイミー』を想起させます。主人公はこの道すがら時々既視感を覚えるようになるのです。おいおい、鴎との冒険が本当はこれが初めてじゃなかったみたいな、よくあるパターンかと邪推していましたが、進めてみて実際の真相にはとても驚かされました。完全に予想の斜め上でした。

 鴎ルートをクリアする頃には、「鴎ぇ〜〜、鴎ぇ〜〜(涙)」と泣きじゃくる気持ち悪いオタクの出来上がりです。休日に引き篭もりながらやるゲームは最高ですね。

 

 

 ……またサマポケの話に脱線してしまいました。

 僕の夏はサマポケに始まりサマポケに終わるのか。正直、本当にそうなりそうで怖いんですよね。

 仕事はいつも通り忙しいし、シャドバの新弾は環境追いかけつつもあんまり面白くないから、自然と他のゲームのモチベが増して、結局はサマポケをやるという流れ。『月姫』までの繋ぎくらいの気持ちで買ったのに、今では完全にどハマりしています。

 サマポケ最高! 夏最高!

 

 

 

 

 ……いや、でも、マジな話サマポケだけの夏っていうのもどうなんだろう?

彼の名はジョセフ・ジョースター(亀)

 こんにちは、モンブランです。

 今日6月14日は、僕の誕生日のちょうど2週間前というのはどうでも良くて、高垣楓さんの誕生日です。絵師さんたちが楓さんのイラストをたくさん供給してくれるのでありがたい限りです。

 

 さて、今回久しぶりに本関係なしのブログを書こうと思ったのは、日常にちょっとした変化が訪れたからなのです。

 

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 バァーンッ!

 このちっこい亀と一緒に暮らすことになりました。その経緯を回想を交えて説明しますね。

 

 

 

 

 

 数日前、夜に仕事から帰ってきた僕は、玄関の隅に謎にバケツが置いてあることに気がつきました。

 

「え、何これ?」

 

 明かりも点けておらず暗かったので、バケツの中までは見えませんでした。帰宅直後なので、そのまま中に入ってから母に訊きました。

 

「亀」

「亀⁉︎」

「拾った」

「拾った⁉︎」

 

 あまりに説明が端的過ぎるので、再びバケツを見に行きつつ具体的な話を聞きました。

 曰く、母が家の前の駐車場を掃除していたところ、枯葉の中にこの小さな亀が居たというのです。よく枯葉に紛れていた中で見つけられたなと思う反面、

 

「この子、どこから来たの?」

「さあ?」

 

 誰もわかりません。

 家のすぐ隣に川があるのですが、そこから這い上がれそうもないくらい小さいので、本当にどこから来たのかがわからないのです。

 

「この亀どうするの? 飼うの?」

「とりあえず保護したんだけど、川に流す?」

「いやいやご冗談を」

 

 隣の川は一言で表せば「非常にばっちい」ので、こんな小さい亀を流すのは気が引けます。おまけに、この川で生きられるくらい生命力の強いコイとボラのミックスみたいな魚が居る中に放り出したら、残酷な想像をせずにはいられません。

 

「飼うかどうかはさておき、もうしばらく保護してようか」

 

 という結論に至りました。

 

 

 また後日のこと。

 

「折角だから名前つけてみない?」

 

 家に他の亀は居ないので「亀」で通じるものの、ペット的な存在に名前をつけたくなるのは自然な心理でしょう。

 

「んー、……ジョースター?」

 

 母が言いました。……僕じゃないですよ、母が言いました。

 勿論ジョースターという名前自体に文句はありませんが、

 

ジョースター家は代々短命だから、亀に名付けるのはちょっとどうかと……」

 

 と、ここまで言ったところで、1人の例外的存在を思い出しました。

 彼の名はジョセフ・ジョースタージョジョ第2部の主人公であり、そこでの闘いを生き残り、3・4部にも老年の姿で登場します。しかも、登場はないものの、第6部の時点でも生きているらしいです。めっちゃ長生きします。

 

「ならジョセフで良いんじゃない?」

 

 ジョジョで亀というと、第5部からポルナレフのことを思い浮かべもしましたが、どうにも不幸な目に遭うイメージがあるので、

 

「うん、ジョセフかな」

 

 彼の名前はジョセフ・ジョースター(通称ジョセフ)になりました。

 

 

 

 

 

 

 という経緯なのですが、“彼”と言いつつジョセフの性別はわかってません!

 メスだったらごめんね!

 もしもメスだったら、2部でナチスドイツ軍の前で変装した時のジョセフを思い出そう!(非推奨)

 Twitterでも結構ジョセフのツイートをしているのですが、僕は一言も「飼う」と言っていません。今でも厳密に言えば「保護」している状態です。

 これから正式に飼うことになるのか、どこか安全な場所に放すかどうかは未定ですが、いずれにしてもジョセフの為になれば良いなと思います。

 雑食のくせに、キャベツは残してしらすしか食べない小生意気な亀ではございますが、

 

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「ハッピー、うれピー、よろピくねー」

 

 ではでは、今回はこの辺で!